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、逆に元気すぎて困ったぐらいで、グスッ、そりゃあもう可愛くって」
手すりにつかまって、肩を震わせる父親の姿を見て、祐一も目頭が熱くなる。
(娘って、「目の中に入れても痛くないぐらい可愛い」って言うもんな)
「それで、栞も産んで貰ったら、母親以上に体が弱くて…… ぐううっ」
男泣きをする姿を見ていられず、目をそらしていると。
ガバッ!
(はわわ〜〜〜っ!)
突然、座り込んだ父親を見て驚かされる。
「お願いしますっ、娘のどっちでも結構です、嫁に… 貰ってやって、下さいっ」
後半は涙で詰まって聞き取りにくかったが、香里と栞の父は、屋上で正座して祐一に頭を下げていた。
選択肢
栞との約束を守る
香里の脅迫に屈する
なゆなゆの責任を取る
秋子ちゃんと愛の逃避行
「そんなっ、やめて下さい、最初から栞…さんとはそのつもりでしたし、昨日だって香里もそう言ってましたから」
それはあくまで13時頃までの話で、16時以降は考えが変わっていた香里。
「ありがとう、ございますっ」
何とか手は上げさせたが、まだ正座して泣いていた父。
それから父親を落ち着かせて、ベンチまで連れて行き、昨日の「昼」の話を聞かせていた祐一。
「そうでしたか、家でも栞には知らせずに話を進めて、「日曜には式の日取りまで決める」って張り切ってましたから」
(やっぱり…)
危うく包囲網とトラップの山の中に、足を踏み入れる所だったらしい。
「でも、昨日の夕方ぐらいから、気が変わったみたいで、電話で栞さんと喧嘩した後は、うちの名雪とも絶交して、「私達の邪魔する奴は許さない(ボソッ)殺してやる」って」
昨夜の様々な脅迫を思い出し、身震いする祐一。
「そうでしたか、昔から頑固な奴でしたから、一度「こう」と決めたら、てこでも動かない娘で、私に似たんでしょうかねえ?」
(やっぱり…)
娘のどちらとも結婚しない、と言う選択肢を選んだら、屋上から放り投げられていたらしい。
(あ、飛び降り防止用のフェンスがあったぁ)
自分が逝く予定だったコースを見回すと、香里ちゃん系の人や、琴音ちゃん(誰?)みたいな女の子がいると困るらしく、転落防止のフェンスやネットが張り巡らされていた。
「うぐぅ、やっぱり祐一君、栞さんと」
「大丈夫だよ、殺しちゃだめなら、死なない程度に可愛がってあげるから、お父さんも、お母さんも、相沢祐一に近付くのが、どれだけ危険か分かる程度にね」
「だめだよっ」
(…………)
まだ香里に怯えている魔物達。
「怖がる必要は無いよ、君達に比べたら、腕力なんて無きに等しいんだから」
「うぐぅ」
しかしあゆも、香里にだけには勝てないような気がしていた。
「ねえねえ、でもどこかの「とうろんかい」で、「登場
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