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KANON 終わらない悪夢
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まま追い返されるのではないかと、不安になる祐一。
(香里の家から電話してもらうか? でも番号知らないしな)
 そこで、まずは矢印に沿って夜間出入り口に向かって見た。
「すいません」
「はい」
 警備員に声をかけ、面会の許可を貰おうとするが。
「あの、7階の美坂」
「どうぞ」
「えっ?」
 やはり、香里が言った通り、階数を言っただけですぐに通された。ただ、相手が目を逸らして唇を噛んでいたように見えたのは、気にしすぎかも知れない。

 ロビーに戻る
「お帰りなさい、あった?」
「ああ、甘栗味だ」
 それを見た香里は、何か凄いプレゼントでも貰ったような顔をしていた。
「こ、これが……」
 手を震わせながら、「天津甘栗味ソフトクリーム」を受け取る香里。
(今時、小学生でもそこまで喜ばないぞ)
 早速ふたを開け、ひと舐めして見る。
「ああっ、こんなの初めて(は〜と)」
 さっき色々サービスしても、ここまでは喜ばなかったので、祐一は自分が100円アイスにも劣るのだと、自信を無くしていた。
「は〜〜〜っ」
 香里のとろけるような甘い声を聞きながら、祐一も涙の味がする弁当を食べた。
「でも、大回りしてきたのね」
 半分ほど食べて、口の中に広がる甘栗の味を堪能してから、ようやく口を開いた香里。
「当たり前だ、閉まってたからな」
 入れなかったのと、自分が100円アイス以下だったのと、どちらが嫌だったのか、ちょっと不機嫌に答える祐一。
「すぐに通してくれたでしょ?」
「ああ」
「そこだけ内側から開くのよ、呼んだのに聞こえなかった?」
「どれだ?」
「ほら、あの端のドア」
 ガチャ
「ほら、ここに立ったら鍵が開くの」
「へえ」
「ねえ…… さっきの、誰?」
 また低い声を出して、機嫌が悪くなって行く香里。
「誰って?」
「今、外で話してたでしょ、あの女、誰なのっ?」
 舞と話していた所も見られちゃっていた。 もう胸倉を捕まれて、物凄い表情で睨まれる祐一。
「え? ああ、あれは舞だ」
「舞って?」
「ほら留年した二人、佐祐理さんの「ボーイフレンド」の方だ」
「プッ」
 舞を完全に男扱いしたので、やっと笑い出す香里。
「でも、抱き合ってキスしてたっ」
「どこがだ? 後ろから捕まえられて「女の匂いがする」って、からかわれただけだ」
「ほら、そうやってむきになる所が怪しい」
 ソファーの上に戻り、膝を抱えてすねてしまう香里。
(こいつ、物凄い焼きもち焼きだ)
 明日からは、例えオバサンの看護婦とでも、目を合わさないようにしようと決心する祐一。
「あいつは佐祐理さんだけだからな、もちろん佐祐理さんの方も」
「って、女子高じゃないのよ」
「そうだな、でも名雪には内緒にしといてくれ、憧れの
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