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長い口づけの後、体を離した二人だが、香里の手は祐一を離そうとしなかった。
「お前、体が動かなかったんじゃないのか?」
「本当、右手も使えるようになってる」
顔面蒼白で涙に濡れていたはずの香里は、汗に濡れて、頬も紅潮していた。
「何だか暑い、心臓も苦しいわ」
「大丈夫か、看護婦呼ぶか?」
「違うの、ほら」
そう言って、自分の診察衣の中に祐一の手を引き寄せ、左胸を握らせて上から押さえる。
「こんなにドキドキしてる」
さっき下着は外していたのか、直に触る香里の胸は、暖かく柔らかかった。
「お前、結構大胆なんだな」
祐一が引いてしまうほど強引で、いつもと違う艶かしい表情をしている香里。
「人間、死ぬと分かったら、怖い物なんて無いのよ、妹の彼だって平気で奪えるんだから」
顔を摺り寄せ、祐一を撫で回しながら耳元でささやく香里、本当に怖い物など無いように見えた。
「もっと人口呼吸して」
祐一を引き寄せながら、横になっても手を放そうとしない香里、心臓マッサージも続けないといけないらしい。
「世話のかかる奴だな」
そう言いながらも、もしベッドに上がってしまえば、香里に押さえ込まれて「逆レイプ」されそうな予感もした。
「うっ、あふっ」
人口呼吸と言いながら、肝心の息は鼻から抜けていると言うか、口から呼吸する隙など与えて貰えなかった。やがて祐一も、服の上から触るだけでは我慢できなくなり、紐を解いて診察衣を脱がせて行く。
「えっ? もう注射するの?」
自分でも祐一の効果を実感したのか、何かを覚悟したように言う。
「バカ、最初は診察からだろ」
恥ずかしいのか、医療用語で表現し合う二人、かなり本格的な「お医者さんごっこ」らしい。
「いやっ、電気消して」
胸をはだけ、形の整った胸をあらわにする。
「待てよ、もう少し見ていたい」
「そうね、もうすぐ見れなくなるものね」
「違うだろ、こんなきれいな体しやがって」
そこで胸に頬ずりして、激しく高鳴っている香里の心臓の音を聞いた。
「なによっ、暗くなったら、栞とか、名雪って呼びそうなんでしょ?」
「暗くたって間違えるわけない」
しばらく香里の体を堪能する祐一君、その際「香里の方が栞より胸が大きい」とか「ウエストが締まってる」とか「お尻も小さくて足が長い」とは思ったが。「名雪みたいに膝と足首の太さが一緒じゃないな」とか「香里のウェストって、名雪の太ももと同じぐらいじゃないか?」(女子高生&陸上部のため)と思ったかどうかは定かでは無い。
やがて、恥ずかしがる香里に命令されて照明を消した後、沈み行く夕日に照らされながら、香里自信を確認する。
「そんなとこ見ないでっ、もう、もういいから」
香理はすでに準備おっけ〜なのか、祐一の頭を押しのけ、切なそうな
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