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俺っ、もうっ、もうっ!」
「いいのよ、来てっ」
「ううっ!」
ここでも上から押さえられ、外には出せなかった祐一君、もうセキニンを取るしか無いらしい。
「「はあっ、はあっ、はあっ……」」
体を重ねたまま、泣いている二人。その間にも香里は、祐一に爪を立てたり、跡が残るほど引っ掻いたり、キスマークを付けたりして、自分の所有物にマーキングするのは忘れなかった。
「グスッ、もし死んでも、貴方の頭の中にずっと残ってやるわ。栞や他の女なんて、一生愛せないぐらいズタズタにして、絶対忘れさせないんだからっ」
そう言いながら嗚咽の声を上げている香里、栞や舞とは別の意味で怖いタイプの女らしい。
「ああ、忘れない、年寄りになって色々忘れても、お前の事だけは忘れない」
「うんっ」
子供のような表情になり、普段誰にも見せないような仕草で祐一に甘える香里。
(香里って、こんな表情もするんだ)
それからしばらく、抱き合ったまま話していた二人。子供の頃の事、好きだったテレビ番組、昔二人が出会っていなかったかなど、ゆっくり語り合ったが、やがて体を離して楽な姿勢になると、香里は穏やかな表情で眠りに落ちた。
(おやすみ)
それから香里を起こさないようにベッドを抜け出すと、祐一は頼まれていた通り、電話をかけに行った。
プルッ、プッ
その電話は1コールもしないうちに繋がった。
『もしもし、祐一さんですか?』
「ああ、もしかして、電話の前で待ってたのか?」
栞は電話の前に座って、自分の恋人と姉の行為が終るのを、ずっと待っていた。
『いえ、それよりお姉ちゃんと、愛し合って頂けましたか?』
その声は、心なしか震えているように聞こえた。
「ああ、どっちかと言うと、あいつに乱暴されたというか、なんと言うか」
『そうですか、これでお姉ちゃんも治りますね』
「すまなかったな、俺にはお前がいるのに、でもあんなに弱ってるあいつを、放っておけなかった」
『いいえ、これは私からお願いした事ですから(バキッ!)、感謝しても怒ったりなんかしません。お姉ちゃん、元気になりましたか?』
途中、まるで受話器を握り潰すような音が聞こえたが、あえて聞かなかった事にする。
「ああ(汗)、体が動くようになったらしい。それにしても、どんな説明したんだ? あの話が出たらヤケになって「じゃあしてっ」とか「見ないで、電気も消して、すぐ済ませてっ」だぜ、あいつ、人を注射器扱いしやがって」
怖くなったのか、あくまでも医療行為だったと言い張る祐一。
『すみませんでした、お姉ちゃん、どうしても祐一さんが好きだって認めようとしなかったんです、まだ何も言ってないんですか?』
「いや、結局あいつの寿命を教えるかわりに聞いた」
『その方が酷いですよ、お姉ちゃんだって告白しなか
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