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声を上げた。
「でも俺、「アレ」持ってないぞ、お前は?」
お注射の準備ができたのか、ゴムの心配をする祐一。
「持ってないわ、でもそんなのいらない」
「今日は大丈夫なのか?」
「さあ? 出来ちゃっても、たった3ヶ月なら産まれたりしない」
もう死ぬのを覚悟しているのか、妊娠の心配はしない香里。
「さっきからそんな事ばっかり言いやがって、じゃあ出来たら産むんだぞ」
「えっ?」
「手を繋いだり、キスしただけで元気になるなら、子供産んだら一生持つ」
売り言葉に買い言葉、この発言が後々どれだけ問題になるか、考えもしなかった祐一。
「ばっ、何言うのよっ、あたし達まだ高校生なのよっ」
いきなり子供まで産むように言われ、赤くなる香理。
「昼間は栞と結婚させようとしてたくせに」
「あれは、栞の寿命が短いかも知れないと思って」
「今は、お前もそうなんだろ?」
面と向かってそう言われ、急に気弱になった香理はこう言った。
「じゃあ、女の子が産まれたら、香里って名前にして。うちの親があたしの代わりに育ててくれるから」
「親子とも香里だったらおかしいだろ、呼んだら二人共来るつもりか?」
まだまだ言い足りなかったが、祐一の表情を見て降参する。
「じゃあ私は「ママ」って呼ばれた時だけ答えるわ」
「そうだな」
強く抱き合って体を重ね、その自然な行為の中で、二人は繋がろうとしていた。
「うっ」
「痛いか? もう止めるか?」
優しい言葉をかける祐一の問いかけに香里は。
「いいの、責任取って貰うんだから」
「えっ?」
非常に危険な相手に「実印」を押そうとしている祐一君。
「ほら、しゃんとしてっ」
ちょっと萎えてしまった祐一を起こし、香里が上になって、無理矢理のし掛かる。
「おい、そんなにしたら」
次第に体重がソコだけに掛かり、ミシミシと音を立て始めた。
「くうっ!」
背中にも爪を立てられ、上からガッシリと押さえつけられる祐一クン。
「ほら、もう絶対に逃がさないんだから」
痛みを物ともせず自分で招き入れた香里ちゃん、これからはまるで安珍清姫のように、他に女を作ったり逃げたりすれば、蛇になって追いかけられ、お寺の鐘の中で焼き殺されそうな予感がした。
「……」
「どう? 栞のとは違う? 名雪って筋肉ありそうだけど、あたしのとどっちがいい?」
「えっ?」
そこまではっきり言われ、恋人の姉であり、従妹の親友を抱いている背徳の恋愛だと言う状況を思い出す。
(いや、栞ってベッドの中でも大人しいし、名雪はマグロだし、途中でもすぐ寝るし)
ギュッ!
「うっ、奥に吸い込まれるみたいだっ」
親しんだ栞や名雪とは全く違う感触で、すぐ音を上げてしまう祐一。
「そう、私の方がイイのね」
「あっ、香里っ、
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