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伝えようとしていた。
「「ハアッ、ハアッ」」
やがて苦しくなったのか、祐一を解放してベッドに座り直す。
「どうだ? ちょっとは元気が出たか?」
「ええ、でもファーストキスにしては凄かったわね」
「初めてだったのか?」
「言ったでしょ、恋愛なんて大嫌いだって」
今にも消え入りそうな弱々しい声から、元の口調に戻り、縋るような目付きから、挑むような表情に戻っていた。
「やっと元に戻ったって感じだな」
贅沢を言えば、もう少し可愛いままでいて欲しかった祐一。
「何よ、もう戻れないわよ」
また抱き付いて、唇を重ねる香里。
(そうだな)
祐一も心の中で、もう以前の二人には戻れないのを感じていた。
「わっ、わっ、二人とも何してるのっ、ここ病院だよっ」
(さあ、「栞さんと同じ事」じゃないかな?)
「だっ、だめだよっ、そんな…」
(君がしたかったかい?)
「うっ、うぐぅっ」
最終的には、あゆと結ばれるはずだが、天使の人形の中の何かがこうさせていた、それは、さらなる地獄へ叩き落す前の準備なのか、今の香里は少しだけ幸せだった。
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