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の割には元気そうじゃないか、そんな事を言うのはこの口かっ」
頭を押さえ、自分を陥れようとした口を両側から挟み、「タコ口」にしてやる。
「名雪、カメラだ、写真を撮れっ」
「うにゅうにゅにょっ、みゃめみゃみゃいっ(訳、何するのっ、やめなさいっ)」
ブサイクな所をカメラに収められないよう、抵抗する香里。
「「「あはっ、あはははっ」」」
楽しそうな娘や友達の姿を見て、一緒に笑っている父、その目には光る物があった。
(残り3ヶ月)
先程の医者の宣告では、娘に残された時間は栞より遥かに短かかった。
そこに、ガラガラと音を立ててやって来た撮影機、本人が移動しないのを見ただけで、どの程度の重症なのか分かるが、面会謝絶になっていないだけマシなのだと思えた。
「美坂さん、肺の写真を撮ります、皆さんは外でお待ち下さい」
「じゃあ皆さん、あちらで何か飲み物でも」
「いえ、そんな」
言われるまま病室を出て、自販機前で飲み物を渡されると、3人で香里の診察が終わるのを待っていた。
「相沢さん」
「はっ?」
また父親が戻って来て、祐一だけが話し掛けられたので、きっと香里の冗談に怒り、外で「パンチでグー」なのに違いないと身を固くする。
「あちらに栞と家内がおります、会って頂けますか」
「は、はいっ」
割と普通の誘いだったので、素直に受けてしまうが。
(いや、栞を目の前に置いて、「どんないやらしい事」をされたか全部喋らせて、香里にまでエロエロな事をしたとか言って)
恋人の父親の前で、冷や汗や脂汗を流し、変な妄想をする祐一。
祐一妄想中…
「さあっ、言うんだっ、どんな事をされたんだ!」
「いやっ、許してっ、お父さんっ」
「許してやって下さい、この子の病気が治っただけでも」
「うるさいっ、お前は黙ってろっ、どうなんだっ、栞っ!」
いつもと違う父親の剣幕に驚き、観念したかのように口を開く栞。
「実は(ピーーー)以外にも(ぴーーー)な事を」
「何だとっ!」
「それから、舐って言われて、口で(ぴー)させられて「薬になるから」って、そのまま全部に出されて、一滴残らず(ぴ)まされました」
「このっ、嫁入り前の娘に、何て事をっ!」
最初より激しくなった、祐一の「お願い」に全て答えていた栞。
「その上、お風呂場で、そこ違いますって言ったのに、お(ぴー)の(ぴー)に石鹸を沢山塗られて、無理矢理」
「うわああっ!」
椅子で殴られそうになり、逃げ回る自分を想像する祐一。
(まずい、このままでは)
そこで小さな部屋に入ると、窓際に座っている栞と、栞の肩に寄り掛かって泣いている女性がいた。
「どうしてっ、どうして二人ともっ、前の検診では何とも無かったのにっ」
二人の母親らしいが、この取り乱
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