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では? と心配になる。
「中で何があったの?」
「…香里と言う子が倒れた」
「えっ? 香里さん、何かあったのっ」
「…妹の弁当を食べ過ぎたらしい」
祐一と同じ嘘をついて、佐祐理を安心させようとする舞。
「それは大変でしたね〜」
栞の巨大な弁当を思い出して、そう言ってみたが、舞の表情はどう見ても、何かを警戒して周りを見回していた。
「…佐祐理、しばらく学校は休んで」
「どうしたの? 佐祐理にも分かるように教えて」
「…………」
「佐祐理には言えない事なの?」
「そうじゃないっ、説明しにくい」
今まで魔物の事も、自分が持っていた力の事も、余計な話はしたくなかったが、今日の出来事や、これから佐祐理が危険な目に合うと考えれば、説明するしか無かった。
「佐祐理は馬鹿ですけど、舞が説明してくれればきっと分かります、教えて」
「…分かった。私が夜の校舎で、何をしてるか知ってる」
「ええ、何となく……」
その頃、香里を乗せた救急車は、病状が安定していたのか、停車したまま、栞の行きつけの病院に連絡を取っていた。
(何してるんだっ、早く行けよっ、連絡ぐらい走りながらでもできるだろっ)
そこに担任がやって来て、保健医と小声で何かを話していた。
「ですから、妹さんと同じ病院へ」
「分かりました」
「すいません、俺も早退させて下さい」
「いかん、お前らだけ特別扱いにはできん、救急車にも全員は乗れんぞ」
担任が言う通り、香里、名雪グループの女まで集まってしまい、ハンカチを出して周りで泣いていた。
「「「香里っ! がんばって!」」」
(うそつけ)
祐一の目にも、栞と名雪、それ以外の女の顔色の違いは分かった。
「相沢っ」
そして救急車に気付いたのか、北川も来ていた。
「香里が倒れたって本当か?」
「ああ」
「具合はどうなんだ」
「大丈夫だ、食い過ぎと貧血だろう」
「うそつけ、女どもはともかく、どうしてお前が死にそうな顔してるんだ? 言えよ」
(言えるわけ無いだろ)
目を逸らし、救急車を見る祐一。
「医者に聞きに行け」
「そうだな、サボるか」
北川のくせに正しい提案をしていた、そこでようやく赤色灯が回り始めた。
『救急車が通ります、道を開けて下さい!』
拡声器から声が響き、野次馬を押し退けて、ようやく救急車が発車して行く。
「「「「香里〜〜〜!」」」」
「「「「「「美坂さ〜〜〜ん!」」」」」」
普段、香里と話すどころか、陰口しか言わないような女達まで、ハンカチを濡らして見送っていた。
(便利な奴らだな、涙も自由に出るのか?)
「ほらっ、お前らは教室に戻れっ!」
追いかけようとした祐一達も、担任に襟首を掴まれ、教室まで送り届けられた。
(こいつらきっと、生徒が泣いたり苦
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