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で、しばらく経っても佐祐理が来ないので不安になる。
「奴らの気配がしたから帰らせた」
「そうか、良かった」
そこで舞に睨まれると、何故か「あの子は妹と同じ病気なの?」と尋ねられているような気がした。
(?症状は同じらしい、それに同じ薬で良くなった)
某お嬢様のように「ゴン太君方式」で聞き直すと、香里に聞こえてしまうので、心の中で答えると舞の表情が曇った。
「…佐祐理を探して来る」
そう言い残すと、また走り出して校門に向かう舞。
「ああ、気を付けろよ」
(…私に助けろですって? 私に以前の力は無い、それに治せた所でまた)
化け物とか、悪魔の子と呼ばれた頃を思い出し、眉をひそめる。
(…佐祐理ならどう思うだろう? でも祐一なら)
もちろん佐祐理なら「まあ、やっぱり舞って凄いんですね〜」と喜ぶだけだが、そうは思えなかった。しかし魔物を知っても平然?としていた祐一なら、受け入れてくれそうな気もした。
やがて救急車が到着して、中庭まで誘導されて来た。
「こっちですっ」
救急隊員が何人か出て、担架を降ろす。
「この子ですか?」
「はい、状態は安定してますが?」
言いにくそうに、隠れて責任者に何か告げている保健医。そこで祐一は、担架に乗せられた香里に声を掛けていた。
「栞が心配で、ずっと絶食してたんだろ、急に食ったら体調も悪くなるさ」
「えっ?」
栞の疑問に答えるよう目線を合わせたが、すかさず香里に口を塞がれた。
「ああ、分かったから、大人しく寝てろ」
その手を払いのけ、胸の上に戻してやる。
「お姉ちゃん」
祐一を黙らせると、香里は妹の視線から逃げるように顔を背けた。
「とりあえず、私と栞さんが一緒に病院に行くから、あなた達は教室に戻って」
お約束のセリフを言う保健医だったが、悲壮な顔をしている栞を放っておけなかった。
「俺達も行きます、こいつが病院までマッサージを続けますから」
「だめよ、親族以外は連れて行けないの」
(クソッ!)
「祐一さん、大丈夫ですから、お姉ちゃんも大したこと無いようですけど、私一人ぐらいは付き添ってあげますね」
明らかに強がって、笑って見せる栞。
「ああ」
以前のような真っ青な顔色と涙声、これを見て自分の状況に気付かない方が、どうかしていた。
「佐祐理っ、やっぱりここにいた」
校門を出た所で、予想通り佐祐理を見つけた舞。
「ごめんなさい、救急車が入って行ったから、何かあったのかと思って」
舞に「家に帰って」「戻って来てはだめ」と言われていたのに、校門の外から覗いていたのを見付かり、ばつが悪そうにしている佐祐理。
「いい、それより無事で良かった」
(木刀?)
舞が木刀を持って走って来たので、また何か問題を起こして、停学になるの
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