04
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
話し、日曜に祐一を招待した上、秋子にも内々に連絡していた香里。両親も奇跡を起こしてくれた相手なので異存は無かった。
「待て、秋子さんなら「了承」しか言わないぞ」
祐一の脳裏では、義理の家族と暮らす「マスオさん状態」の自分の姿が浮かび、サ*エさんのテーマソングが聞こえて来た。
「そうね(ニヤリ)」
若い二人を遊ばせている間に、「大人の話」をさせて、親が泣きながら「残りの人生は娘の思った通りに」とか「甥子さんさえ宜しければ、どんな事でもさせて頂きます」と言って並んで土下座すれば、秋子でなくとも、人として断れないのは当然であった。
(フッ、秋子さんの答えは「了承」じゃなくて、「手を上げて下さい、相沢の家には私から説明しておきます」よ、それはあなたの両親が反対しても、絶対覆らないと言う意味なのよ)
祐一妄想中……
「お兄ちゃんがあたしのおやつ取った〜〜!」
「待ちなさいっ!カツ*ーー!」
「うへぇ! 姉さんっ!」
「あらあら、私のをあげますよワ*メ」
「ニャ〜〜ン」
「どうです父さん、今夜あたり一杯」
「お、いいねえ、マス*君」
「タ*ちゃんでちゅ〜、あっ、イ*ラちゃんでちゅ〜」
「バブー、ハィー、ダァー」
「ノリ*ケです」
そこでは平和なイソ… もとい、美坂家の日常が展開されていた。
「まさかお前の家、タマとか言う猫はいないだろうな?」
「いいえ、いるわ」
わざわざ全身白い猫を用意して、首輪と鈴を付け名前もタマにしていた香里。
「何っ!」
「えっ? ねこさ〜ん」
隅の方で一人「ドナドナ」を歌っていた名雪だったが、猫の話題が出たとたん割り込んで来た。
「香里、ねこさん飼い始めたんだ〜」
(やっぱりそういう事かっ)
全てが香里の計略通り進んでいるのに気付き、舌打ちをする祐一。猫は名雪を喜ばせる為ではなく、猫アレルギーの「名雪よけ」のためらしい。
「そうそう、その日はN*Kも取材に来るから、忘れないでね」
もう既に「奇*体験ア*ビリーバボー」などにも投稿を済ませ、当日は公*放送の「いのち」のシリーズのスタッフが取材に来る事になっていた美坂家。
「はうっ!」
山間離島にまで放送される局を呼び出し、全国的に宣伝するつもりの香里、それでもし難病の娘を捨てるような事があれば、社会的に抹殺されるのは間違い無い。
祐一、三たび妄想中……
「奥様、聞きましたか、ボソボソボソ」
「ええっ、あのご主人が?」
「そうなんですよ、一時は奇跡とか美談とか騒がれましたけど、結局あのお嬢さん、捨てられてしまったそうですのよ」
「まあ、あんな人の良さそうな顔をして、何て事を」
「何でも、それをきっかけに病気が再発して、最後には」
「ええっ!」
それ以降は近所の嫌がらせに悩まされ、インターホン
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ