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先にイチゴを突きつけられ、胃から逆流しようとする物と戦う名雪。
「ほら、ア〜〜ン」
もし「ア〜〜ン」などしよう物なら、その場でゲロぴー決定である、その日から名雪は少しだけイチゴが嫌いになった。
「ぐふっ」
「どうした? つわりか」
ゴトッ!
そのセリフでデザートのパックを落とし、四次元に手を入れる栞。
「祐一さん、今、何て言いました?」
チキチキチキチキッ!
ポケットから素早く「カッターナイフ」を取り出し、刃を半分ほど出す。
「うっ!」
さらに左袖をめくり、手首に刃を押し当てようとした。
「うわあっ!」
「やめなさいっ!」
「離してっ! お姉ちゃんっ!」
祐一が名雪に「ア〜〜ン」までして、妊娠しているかどうか聞いてしまった以上、栞は手首を切るしか無かった?
「待てっ、ほらっ、ウサギさんだっ!」
この手の危ない人物の扱いを心得ていた祐一は、リンゴで出来たウサギを差し出した。
「ウサギ、さん?」
まるで誰かのような反応を示す栞。
「そうだ、ウサギさんだ、ア〜〜ンしてみろ」
「……ア〜ン」
頭を撫でられながら、リンゴを食べている栞。
「落ち着いたか?」
「はい……」
栞はようやくカッターの刃を戻して四次元にしまったが、香里が刃物を取り上げる為に手を入れても、もうカッターは取り出せなかった。
(やっぱり、あの「白い手の吸盤」で取らないと、出て来ないのか?)
祐一はある確信を抱いた。
「あの、名雪さんは赤ちゃんができたんですか?」
「ただの食い過ぎだ、いや、あの腹だしな、あいつは毎日「けろぴー」って言う、でかい蛙と寝てるから、もうすぐ川に産卵しに行くのかも知れん」
「ちがうよ」
一応言い返すが、さっきの栞を見て、すっかり青くなっている名雪。そして重苦しい空気を軽い冗談で流したつもりの祐一だったが。
「そうでしたか」
一人だけ信じる者がいた。その隙に、カッターを取り上げる為と、確認の為?に、栞のポケットに手を入れて見る祐一。
(大丈夫だ、のび*君なら取り出せたはずだ)
何やら変な事を考えながら、ポケットの中をまさぐる。
「わっ、何してるんですかっ、女の子のスカートに手を入れるなんてっ、怒りますよっ」
そう言いながらも、ついさっきまで顔に入っていた黒い斜線が消え、頬を赤らめる栞。
「お前が刃物を持ってたら危ない、没収だ」
「あっ、そこ違いますっ、やだっ、お姉ちゃんまでっ」
左右から手を入れられ、違うポケット?の中まで持ち物検査を受けている栞。
(ほうら、こっちのお口もア〜〜ンして、じゃなくって)
そこでまた、良からぬ妄想をしてしまう祐一。
祐一妄想中……
「お姉ちゃんっ、もう許してっ」
「だめよ、これは「リハビリ」なんだから、それとも私と相沢
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