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昼休み、栞と香里、名雪と共に中庭にいた祐一。朝の件は名雪のボケ、もしくは起きている上での故意と見抜かれ、不問とされていたが?
「はい、祐一さん、卵焼きです」
最初から対抗心剥き出しで、まるで祐一の膝の上に座るように陣取って、あれこれ口に運んでいる栞。サービス増量期間中らしい。
「うっ、もうだめだ、香里、もう少し食ってくれ」
栞が夜明け前から作った力作を前に、敗北しようとしている一同。尚、北川は「呼ばれていない」のに気付き、泣きながらダッシュで学食へ、舞は栞と祐一の仲に気を使って、「シュタタタッ!」と走り去り、佐祐理と一緒にどこかで弁当を食べていた。
「はい、お姉ちゃんも」
「だめよ、もう食べられない」
何やら青い顔をして、さっき妹に詰め込まれた物を、何とか飲み込もうと努力している姉。
「そんな、やっぱり私が作った料理なんか、食べられないのねっ」
「ヒッ!」
いきなり泣き出した妹を見て、頭の上の方から悲鳴を上げる香里。
「違うわよっ、ほ、ほらっ、重箱2つは食べたから、もう入らないのよ」
「本当? 実は心の中では「フンッ、やっぱりこんな、グズでノロマで亀な妹なんて、生まれて来なければ良かった」な〜んて思ってるんでしょ」
下を向いた顔に黒い斜線が入り、目だけ光らせている栞。
「ほらっ、食べたわよっ、あ〜おいしい、これならいつお嫁に行っても安心ね、うふふっ」
わざとらしく喜ぶが、次第に顔色が青から緑に変わっていく香里、きっと葉緑素でも出して消化の助けにしているらしい。
(これ「俺の酒が飲めないのかっ」って言う、酔っ払いと同じじゃないの?)
やがて栞の手口を理解し始めた香里は。
(もしかして、仕返し?)
あまりの量の多さに、悪意すら感じ始めていた。
「名雪、あんたが片付けなさい」
呼ばれもしないのに、当然のように祐一に付いて来た名雪だが、弁当の巨大さに気付いた祐一と香里に呼び止められ、今日もAランチ持ち帰りは出来なかった。
「だめだよっ、わたしも、もう食べられない」
すでに「けろぴー」のように、お腹がパンパンになって地面に転がっている名雪。
「香里、お前の一族は全員、こんな大食いなのか?」
栞ダイエットで、やつれ果てていたはずの香里も、ここ数日の攻撃で着実に体重が増え始めていた。
「そんな訳ないでしょ、この子だって自分では食べてないんだから」
食べ過ぎで気分が悪そうな香里をよそに、嬉しそうに鞄の中から別の箱を取り出す栞。
「じゃあデザートです」
「「「…………(嫌)」」」
「食後はやっぱりデザートですよね、甘い物は入る所が違うと言いますから」
不治の病から回復した今、栞は佐祐理に匹敵する天然娘に成長していた。
「ほら、お前の好きなイチゴだ、食わせてやろう」
「うっ!」
鼻
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