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がせ、順番に着せて行く。
「名雪、今日は話がある」
「うん、けろぴー」
やっぱり寝起きのお話し相手は、けろぴーな名雪。
「また目が覚めてから、ゆっくり話してやる、でも今はそのまま聞いてくれ」
「にゅ…?」
「2ヶ月前はありがとう、おかげでこれまでやってこれた。もう栞には会えないと思ってたけど、お前が言った通り、あいつは大丈夫だった」
「うん〜」
ちょっと嬉しそうに、糸目のままニコニコしている名雪ちゃん。
「お前には世話になった、でも俺は栞が好きだ、これからも守ってやらないといけないと思ってる」
ビクッ!
「だからお前とは、これで終わりにしよう、朝起こして着替えさせるのも今日で終わりだ、今までありがとう」
「……うっ、グスッ」
眠ったまま涙を流す名雪、きっと悪い夢でも見ているに違いない。
「お前なら一人でもやっていける、それに俺なんかより、ずっといい男が見付かるはずだ」
「…で・き・ない…よ……」
「起きてるのか?」
「くーーーーー」
寝ながら会話もできる器用な名雪ちゃん。
「もっと早く、お前を好きになってたら良かったのかもな、でも俺は先に栞と出会っちまったんだ」
首を左右に振り、間違いだと言いたげな名雪。
「…ち・がう・・、わた・し…が・・先…」
しかし祐一は、子供の頃に二人が会ったのを、「わたしが先」だと言っているのだと思っていた、7年前、自分が何をしたかも知らずに。
「今日は先に行ってるからな、遅刻しないように来いよ」
「うっ……」
「う?」
「うええぇ〜〜〜〜〜ん」
盛大に泣き始めた名雪を前にして、困り果てる祐一。
「おい」
「まあ、喧嘩はいけませんよ」
ビクウッ!
背後からの声で、硬直しながら、ゆっくり後ろを振り返る。
「あ、秋子さん、いつからそこに」
すでにお約束なのに、今日も驚かされる祐一、きっと隠行の術でも使われたに違いない。
「はい、「今日は話がある」からです」
いつもと違い、困ったような、悲しそうな顔で答える秋子。
(目覚ましも鳴ってないのに、どうやって?)
それは秋子さんだから。
「行かないでっ、置いて行かないでっ、祐一〜〜っ!」
ベッドに座って寝たまま、手を泳がせて祐一を探す名雪、物凄く悪い夢を見ているらしい。
「ああっ、ここにいるから、泣くなよ、ほらっ、チーンして、チーン」
置いて行くつもりが、秋子の前なので、仕方なくティッシュを取り、涙と鼻水を拭いてチーンまでしてやる。
「バカッ、うそつきっ、うえええ〜〜〜ん」
そのまま腕にしがみ付いて、祐一の制服で涙と鼻水を拭く。
「こらこら、制服汚れるだろ、ほら、チーン」
「ズルッ、グシュグシュ、うっ、ううっ…… くーーーーー」
安心したのか、そのまま祐一の胸の中で泣き寝
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