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最近チョーシのってるんじゃねーッスか? ちょっとシメときましょうや」
「てめえこそシメられたいか? あっちには裏番の……」
ザシャアッ!
「「「「げえぇっ」」」」
どこかから瞬間移動して来た相手を見て驚く一同。
「…祐一とあの子に、何かあったら許さない」
耳は良いらしく、佐祐理と祐一関連の話題は、どこにいても聞こえる舞。
「ああ、それであの子の病気とやらは治ったのかい?」
「…多分」
「そうかい、良かったな、でもアンタもアイツを取られちまって大変だねえ」
「…な、何を言うの」
速攻で心の中を見抜かれ、顔を赤らめる舞。その他大勢も、以前OB達が軽くシメられたのを見たのか、手出しはできなかった。
「でも、あの子が邪魔なら、いつでも相談に乗るよ」
「…何ですって?」
「待ってるぜ、姐さん」
「……」
まだこの時には、栞がいなくなればいい、などと考えもよらなかった舞には、その女の申し出が理解できなかった…
その頃から、また祐一の夢に現れ、ささやく声があった。
(さあ、君は誰を選ぶんだい? 丈夫で元気な名雪ちゃんかい、それとも?)
そして現れては消える過去の記憶。
「わあ、びっくり」
「じゃあ祐一だけ晩御飯はたくあんっ、お茶碗一杯のたくあんに、たくあんを掛けて、たくあんの絞り汁を飲むのっ」
「くーーーーー」
「わたし、にんじんたべれるよ」
「起きないから奇跡って言うんですよ」
「私、祐一さんの事が好きです、本当は誰も好きになっちゃいけなかったのに、辛くなるだけだって分かってたのに、だめでした」
「1週間だけ私を普通の女の子として扱って下さい。1週間だけ私は夢を叶えるんです、1週間後の2月1日、私は祐一さんの前からいなくなります」
「私、笑っていられましたか? ずっと笑っていられましたか?」
(栞っ!)
「こんな時って、泣いてもいいんですよねっ」
「私っ、本当は死にたくなかったっ」
「そんな事言う人、嫌いですっ」
『朝〜 朝だよぉ〜、朝ご飯食べて学校行くよ〜〜』
多分、今日で聞き納めになるであろう、気の抜ける音の目覚ましを止め、もう一度だけ聞いて見る。
『朝〜 朝だよぉ〜、朝ご飯食べて学校行くよ〜〜』
簡単な操作で名雪の声は消えた。何かを決心して名雪の部屋に向かうが、今朝はまだ目覚ましの大群は鳴り始めていない。
「名雪、入るぞ」
「く〜〜〜〜」
外の雀の鳴き声と一緒に、安らかな寝息が聞こえていた。部屋に入り、目覚ましが鳴る前に、いつもの順番に止めて行く。
「起きろ、朝だぞ」
「うにゅう」
いつものようにクローゼットを開け、制服や下着を用意してやるが、これも今日で終わるかも知れない。
「ほら、座って」
「く〜〜〜」
座らせたままパジャマとTシャツを脱
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