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その後、ホームルームで始業式のスケジュールを教えられ、校庭に向かっている一同。
「名雪、立ったまま寝ないでよ」
「えっ、そんなの当たり前だよっ」
「朝礼でも寝てるのか?」
「ええ、暖かくなったら毎年」
「何て奴だ…」
「立ったままならまだしも、たまに倒れるのよ、受け身も取らないで」
「香里〜〜」
恥ずかしい出来事を公表され、涙目で抗議する名雪。
「周りでは「貧血だ」って騒ぎになるけど、この娘はぐーぐー寝てるだけなのよ、それも倒れてからもずっと」
「もういいってば〜」
「いつか保険の先生が、「脳溢血じゃないか?」って、大騒ぎにになった事もあるわ」
脳溢血の症状で、患者は「いびき」をかくので、まるで寝ているように見える時がある。
「まあ名雪だから、そんな事もあるかな」
「ええ、名雪だから」
「二人とも、わたしをなんだと思ってるの?」
「「名雪」」
「もう〜〜っ」
「あはは〜、楽しそうですね〜」
「……」
その時は、舞も楽しそうな顔をしていたとか、いなかったとか…
やがて始業式が始まり、校長の年度始めの長い挨拶が続いている時。
「くーーーーー」
ふらふらしながらも、やはり立ったまま寝ている名雪がいた。
(やっぱり凄い奴だ)
「いいかげんにしなさいっ」
後ろから小声で注意して起こす香里、それでもバランスを崩しそうな時は、襟首を掴んで支えていた。
「…凄い」
「ええ、ほんと〜でしたね〜」
後ろから見ていた舞と佐祐理も、名雪の踊り?を見て感心していた。
「酔拳は聞いたことがあるが、寝る方の睡拳ってのはあるのか?」
「知らん」
北川に即座に否定されるが、きっと眠った状態で無我の境地に入り、無心の一撃を放つ回避不能の必殺拳に違いない(民明書房刊)。
「く〜〜〜〜〜〜」
やがて、名雪の熟睡と始業式も終わり、放課後になった。
「皆さん、これから何かご予定はありますか? よろしかったらお近付きの印に、ご一緒にお弁当でもどうでしょう」
始業式にまで弁当持参で、舞を餌付けしている佐祐理。
「はい、じゃあ、わたしも何か買って来ます」
これから部活がある名雪は、元々その予定だったので即答した。
「ああ、俺も」
「俺も」
「みんな学食組ですから、食堂に行きませんか?」
「そうですね〜、大勢ですし、天気もいいですから、あそこにしませんか?」
香里の提案を覆し、まだ蕾だけの桜が並んだ、中庭の一角を指差す佐祐理。
((((えっ?))))
確かに運動部の生徒などは、早めの昼食のために学食や部室に向かっていたが、始業式の日に中庭で弁当を広げるような生徒はいなかった。
「どうかしましたか?」
ここでも佐祐理の傍若無人ぶりが発揮され、舞もすでにシートを準備していた。
「「
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