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」」」」
「「「「良かったわね」」」」
周りでは二人の感動の再会を祝し、拍手が送られていた。
「あ? ありがとうございます」
まだ祐一から離れず、ボロボロと泣きながら顔を赤らめている栞。
「いつの間にこんな?」
照れて頭を掻く祐一、下校時、これだけの騒ぎを起こせば、人だかりができるのも当然だった。
『でもあの人、あそこのロングヘアの人と、毎朝手を繋いで通学してるバカップルじゃなかった?』
『ええ、そうね』
その陰口は、名雪本人の耳にも届いた。
(バ、バカップル)
『でも、あの人、毎朝寝てるから』
『ええ、朝礼でも寝てるわね、あれなら百年の恋でも冷めるんじゃないかしら』
『そういう病気か、「可哀想な人」かも知れないわね』
(病気、かわいそうな人)
『それで乗り換えられちゃったのね』
(乗り換え……)
祐一を取られた上、周囲から好奇の目で見られてしまい、落ち込む名雪。
「ふえ〜 大丈夫ですか〜? それにしても沢山ありますね〜、全部祐一さんが食べるんですか〜?」
転がったアイスクリームを拾い上げ、真っ直ぐ積み直している佐祐理。
「いや、さすがに全部は」
「じゃあ、こうしましょう」
今度も佐祐理の決定?で、落ち着きを取り戻した栞と一緒に、沢山のアイスクリームと弁当を囲む事になった。
「あの、グスッ、私も持って来ました」
そう言って、巨大な弁当の包みを、四次元から取り出す。
「「ヒッ!」」
「まあ、凄いですね〜 普段は祐一さん一人で、これだけ食べるんですね〜」
「無理だ……」
それから桜の木の下に座って、栞の身の上話を聞いて、貰い泣きしている佐祐理と、母親の事を思い出したのか、かなり「はちみつクマさん」な舞。
「そんな事があったんですか、でも元気になられて良かったですね〜」
「…良かった」
「グスッ、はい」
泣きじゃくりながらも、栞は祐一にべったりと張り付いて離れなかった。
「いいかげんにしなさい、人前で恥ずかしい」
「うん、ちょっと恥ずかしいかな」
貰い泣きしながらも、世間体を気にする姉と、違った意味で心配する親友。
「まあまあ、いいじゃないですか、大変な事があった後ですから」
「ありがとうございます、グスッ」
そして祐一と栞の感動の再会を目撃した生徒達も、その場を離れ難くなり、まるで佐祐理の発する電波に誘われるように、各々飲み物や食べ物を調達し、次第にその輪が広がって行った。
「何だか本当にお花見みたいですね〜」
「私なんかの為に… 皆さんが集まって」
単に酒?の肴になっているだけなのに、感涙にむせぶ栞。
「だったら、桜も満開だったら良かったのにな」
春なので、桜が咲いても不思議は無かったが、桜前線はまだ遥か南方にあった。
「お前ら、こんな所で何
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