暁 〜小説投稿サイト〜
KANON 終わらない悪夢
02
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
い、いえ、別に」」
「じゃあ決まりですねっ」
 その場の空気では、もう多数決を取るまでも無く、佐祐理の提案はすでに決定事項となっていた。
(これが議員の娘の力か…)
 素晴らしいリーダーシップに驚かされる祐一。それも権力を使ったゴリ押しでは無く、あの笑顔で言われて逆らえる人間は少なかった。
「もう〜 佐祐理にはそんな力ありませんよ、かいかぶらないで下さいっ」
 また祐一の心の声に答える佐祐理、議員ほどの力は無くても、テレパシー能力はあるらしい。
「えっ、いや、凄いリーダーシップだなって、ははっ」
 乾いた笑いでごまかす祐一だが、これから佐祐理の前では、考え事をしないよう心に決めた。
(また何も言ってないのに会話してる、「祐一さんを取ったりしませんから〜」な〜んて言っておいて、実は赤い糸で繋がってるんじゃないでしょうね?)
 また眉間にしわを寄せ、祐一と佐祐理の関係を疑う香里。一応二人の間に入って、赤い糸を手繰り寄せ、引き千切る動作をしておくのは忘れなかった。
「何してるんだ?」
「え? 何か仕掛けでもあるのかなって」
「香里も祐一の声、聞こえなかったよね」
 二人の間に、自分以上の絆があるのに、不安を隠せない名雪。
「ええ、北川君は?」
「やめてくれよ、男の考えてる事なんて知りたくも無い」
「佐祐理さんだけか? 舞は?」
「…知らない」
 聞こえたとも、聞こえないとも答えず、曖昧な答えで目を逸らす舞。
(聞こえてるのかもな)
 一応、舞の前でも、「良からぬ考え」はしないよう、心がける祐一だった。
「いいじゃないですか、便利ですし」
((やっぱり凄い人…))
 普通なら、ロ*アに連れて行かれて実験されるか、サトラレと認定されそうな事件を、その程度で済ませてしまう佐祐理にまた驚かされる。
(はっ、まさか、この人は 「ミスリル」から送り込まれたエージェントで、「ウィスパード」の倉田さんを守ってるんじゃないの?)
 香里は、転校して来た祐一や舞が、佐祐理をガードするため、「ルリルリみたいな大佐が乗った強襲潜水艦」、から派遣されているのでは無いかと思い始めた…… かも知れない。
(肯定だ)
 と、同じ声の北川が考えたかどうかも、定かではない。

 その後、学食に移動して、パンや飲み物を調達している一同。
「うぐぅ、出番無い」
「ん? 何か言ったか?」
「ううん、何も」
(やっぱり、名雪の考える事も表情だけで分かるってわけね、そんなの許さないんだから)
 名雪と祐一の間に割って入り、電波の妨害をする香里。
「さっきから何してるんだ?」
「いいえ、別に」
 しかし、ラブラブお買い物を邪魔され、なゆなゆはちょっぴりご機嫌斜めになった。
「ジャムパン2個と、どろり濃厚のイチゴ味下さいっ」
(うっ!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ