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最後の手段を使って家族を脅迫し、また手首の傷を増やしたが、舞に心配させないように傷を隠している佐祐理。
「違いますよ〜 これは料理の時に手が滑ったんです〜」
バンテージをずらし、傷の説明を始める佐祐理、凄い手の滑り方だったらしい。
「佐祐理さん、どうして俺の考えてることが?」
「祐一さん、全部声に出して言ってましたよ〜」
「そ、そうだったかな?」
「嫌ですね〜 祐一さんったら」
そんなやり取りを見ていた名雪には、祐一の声は聞こえず、佐祐理の独り言だけが聞こえていた。
(この人、何言ってるんだろう? でも祐一の考えてる事が分かるなんて)
名雪は、佐祐理がニュータイプか、電波を受信できるタイプの人だと思い始めた。
「へえ〜 相沢君ってやっぱり、女関係には知り合いが多いのねっ」
「うっ」
恐ろしくギスギスした言い方をされ、まるで後ろから刺されたような感じがした祐一。
「これも栞にはどう説明すればいいのかしらっ?」
「はえ〜 祐一さんの彼女さんですか〜?」
「いや、そう言う訳では……」
「祐一、知ってる人?」
知り合いで無ければ、ここまで会話が弾んだりしないが、天然ボケで救ってくれる名雪。
「ああ、去年も3年だった先輩だ」
「もう先輩じゃありませんよ、祐一さん、紹介して下さい」
「こいつは俺の従妹で名雪、水瀬名雪って言うんだ」
「あっ、始めまして」
「倉田佐祐理さんだ」
「始めまして〜」
「こっちは川澄舞」
コクリ
相変わらず、首だけ動かして挨拶のような物をする舞。
「趣味は校舎の破壊と、夜の校舎で辻斬りをやってる、だから夜は学校に来るんじゃないぞ」
「「えっ?」」
「…変な事を言うな」
(格好いい人)
そこで男前な舞を見て、何故か頬を染める名雪。
「で、これは美坂香里」
「誰が「コレ」よっ」
「始めまして〜」
コクリ
挨拶されたので、仕方なく「妹の敵」に話し掛ける香里。
「始めまして、あたしは「相沢君の恋人の姉」です、いつも妹がお世話になってます」
別にお世話になっていないのに、世間体を取り繕ったような会話を始める香里、もうオバサンか姑のようだった。
「そうでしたか〜 でも安心して下さい、佐祐理は妹さんから祐一さんを取ったりしませんから〜」
「それはどうも」
冷気でも漂って来そうな、能面のような笑顔を返す香里。
プイッ
しかし、もう一人は、機嫌を損ねたのか、横を向いてしまった。
(フンッ、そう言う事ね)
香里の中で警報が鳴り、舞は栞の敵と断定された。相手の恐ろしさも知らずに。
「あっ、でもそのリボンじゃ1年と同じ色ですね、良かったら予備がありますから、使ってください」
周りの空気の悪さを取り繕おうと、鞄からリボンを出し、舞に差し出す名
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