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うなの?」
「受験に集中できるように、3年はクラス替えはしない、って聞いてなかったの?」
多分、寝ていたのかも知れない。
「そう言えば、聞いたような……?」
やっぱり寝ていた。
「それよりちゃんと説明しなさいっ!」
「えへへっ」
今日も仲良く? 教室まで走る3人だった。
「ふうっ、どうして今日も間に合ったんだ? 誰か教えてくれ」
毎日、絶対に間に合わない状況でも、何故か遅刻しない二人。
「それはきっと、日頃の行いがいいからだよ」
そのセリフは、会えなくなった栞も言っていた言葉なので、祐一と香里の胸に深く突き刺さった。
「そうだな……」
「ええ……」
香里の顔色が悪くなった所で、今日も追及を免れた二人。
(でもコイツって、栞に会えないのに、どうして笑ってられるの?)
初めは自分と同じで、無理に笑っているのではないかと思っていたが、香里から話を出さない限り、栞が話題に上る事は無かった、まるで1月頃の自分と逆になったように。
(それだけ話すのが辛いの? それとも?)
聞いてしまうと「俺に恋人なんかいない」と言われそうで、恐ろしくなった。
(そうよ、コイツなんてその程度の奴なのよ、気にする方がおかしいのよっ、やめやめっ)
本鈴前に教室に入ると、仮に出席番号順に座っている生徒の中で、北川以外にも見慣れた顔があった。
「…祐一がいる」
「お前こそ、どうしてここにいるんだ?」
そこには、無愛想で目付きも悪く、余計な事は喋らない剣豪が座っていた。
「…留年した」
「何っ?」
舞は数々の暴力事件?と、校舎の破壊で停学が続き、出席日数が足りなかった。
「…クラスメイト」
祐一君と舞ちゃんは、3年の大切な時を共に過ごす事になった。
「そんなバカな」
きっと、倒せなかった魔物と戦い続け、この場所を守るためには、留年してでも学校に残るのが得策と判断したらしい。
そこで呆然としている祐一に近付く少女が一人。
「あはは〜 佐祐理も留年しちゃいました〜」
「どうして佐祐理さんまでっ?」
「病欠が多くて、出席日数が足りなかったみたいですね〜」
こちらは必ず舞と同じクラスになれるよう、狙って来たに違いない。佐祐理は、舞が停学の間は何故か病気になって、弁当を持って川澄家に行っていたので、出席日数が足りなかった。 もちろん成績も悪かったが。
「今度は同級生ですね〜、楽しい思い出を沢山作りましょう」
「え? ああ……」
(それにしてもどうやって、いや、それ以前に倉田家はそれでいいのか?)
「ええ、家は大丈夫なんですよ〜」
議員の娘が留年して、その上こんな「不良娘」と一緒にいていいのか疑問に思う祐一は、佐祐理の左手首に見慣れないバンテージを見付けた。
(あれって絶対、汗止めじゃないな)
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