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ッチニ、オイッチニ」
「いちにゅ、いちにゅ」
名雪がその場で足踏みをしている間に、パジャマを脱がせ、スカートを突っ込み、ホックを止めジッパーも上げる。
「スカーフと靴下は後でいいな、さあ、顔洗って来い」
「にゅっ」
座らせて靴下を履かせると、また寝てしまうので、お尻を叩いて洗面所に送り出した。
「ふうっ」
何とか朝の食卓に送り出し、一息ついていると。
「まあ、やっぱり朝は祐一さんがいると助かりますね」
「あっ、秋子さん、いつからそこに?」
口から心臓が飛び出しそうになりながら、何とか平静を装って聞いてみた。
「えーと、「起きろっ」あたりです」
全部見られちゃっていた。
「いえ、これには深い訳が……」
嫌な汗を流しながら、言い訳を考える祐一。
「了承」
「えっ?」
「うふっ、毎年冬と春は困ってたんですよ、これからも「末永く」お願いしますね」
嫁入り前の娘を素っ裸にして、モミモミ、うにうにした上に、生着替えさせてしまったので、責任を取るしか無いらしい。
「うぐぅ」
将来の毎朝の状況を思い、うぐぅの音を漏らす祐一。2カ月前、名雪に慰めて貰った翌朝も、「お赤飯」だったので祐一としても反論はできなかった。
「さあ、朝ごはんにしましょうか」
「……はい」
ほくそ笑む秋子に続いて、足取りも重く階段を降りる祐一。
「くーーー」
しかし、顔を洗って歯を磨き、食卓についても、名雪はまだ糸目で寝ていた。
「さすがだな」
3月よりさらに磨きが掛かった熟睡、そこで、鼻の前に適量のジャムを塗ったトーストを近付けてみる。
「くんくん、んんっ、もしゃもしゃもしゃ、ゴクリ」
「食うのか?」
寝ながらでも食べたので、今度は手に持たせて様子を伺ってみた。
「モグモグモグ」
「すごい」
「毎年、4月はこのぐらいなんですよ」
「そうなんですか」
そこで一枚食べ終わった頃、謎ジャムを少量試してみる。
「うっ」
名雪はアストロンの呪文を唱えた、鋼鉄の瞼と口は何者も受け付けない。
「食え」
「ううっ」
「そろそろ時間ですよ、祐一さん」
「はい」
謎ジャムトーストは、気付け薬として袋に入れて懐に忍ばせ、用意していた靴下を名雪に履かせる。
「ほら、靴下だ、こっち向いて」
「にゅ」
横を向いて両足を投げ出し、されるがままになる名雪、夜もこんな感じらしい。
(くそー、ムチムチのいい足しやがって、やっぱり着替えの前に一発やっておけば)
良からぬ考えを起こすが、そんな事をしていれば、秋子さんに全部見られていたのだと思い直す。
(やめといて良かった)
「ほらスカーフも」
これも手馴れた手付きでスカーフを巻いて、蝶結びにして形を整えてやる。
「上手になりましたね、祐一さん」
「は
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