第三十八話 夏になってその十二
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「二類って何時行っても変に緊張するわ」
「同じ学校だけれれど」
「違う感じがしてね」
「どうしてもね」
「そうなるのよね」
皆もこうそれぞれ言います。
「どうにも」
「類が違うと」
「嫌う人がいたりして」
「妙な対抗心持ってて」
実際にこうしたことがあります、天理高校は一類二類三類とあります。一類が私達普通科で二類がその進学コースです。三類はスポーツ系です。
ただ一類と三類は同じ校舎であることもあって仲はいいのですが。
「二類の子達とは校舎が違って」
「寮も別だしね」
男の子の方は分寮にいるとのことです。
「そこも違って」
「同じ天高でも」
「何か違うのよね」
「別々過ぎて」
「そうなのよね、考えてみたら」
ここで私が気付いたことはといいますと。
「奥華で二類の人って卒業した人含めて女の人ばかりだけれど」
「あっ、そうなの」
「それも珍しくない?」
「二類の人が女の人ばかりっていうのも」
「それも」
「何か男の人で二類の人って」
思い出してみてもです。
「いないわね、親里高校の人は多いけれど」
「今は教校学園ね」
「あそこの人は多いのね」
「ええ、昔の付属もね」
教校付属高校という学校もありました、今は親里高校と合併して教校学園高校になっています。天理高校の姉妹校です。
「多いけれど」
「二類となると」
「あまり、なのね」
「どういう訳か」
奥華の天理高校の人は一類の人ばかりです。
「そうなの、あとね」
「あとって?」
「そういえば奥華の女の人は成績いい人が多いかしら」
栗橋さんって人は天理大学で評判の人でした、宗教学部で物凄く成績がよくて。
「何か」
「そうなのね」
「だからその娘も二類なのね」
「男の人で二類っていないんじゃ」
一人いつも成績トップだった人を知っていますが同時に昔自衛隊にいて何でも兵学校からさかのぼっての馬鹿とか言われたそうです。
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