暁 〜小説投稿サイト〜
Blue Rose
第三十九話 認識その六

[8]前話 [2]次話
「最悪、衝夫ブタいるわよ」
「その言葉豚さんに失礼よ」
「とにかくあいついるなんて」
「確かに最悪よね」
「あいつが受け持ってるクラスがいるとね」
「衝夫もいるからね」 
 授業だから当然のことであるが。
「最悪」
「本当に最悪よ」
「セクハラしてくるし」
「いやらしい目でいつも見てくるし」 
 体操服姿の彼女達をだ、半ズボンから脚が出ている。
「もうどう思ってるか丸分かりよ」
「私達をね」
「風俗嬢とでも思ってるんでしょ」
「それも無料のね」
 このことを本格的に直感しているのだ、彼女達も。
「正直どんな男子生徒でもよ」
「あまり見られたくないけれど」
「けれどあいつよりはましよ」
「男子生徒なら少し言えば見なくなるけれど」
「あいつは違うから」
 衝夫は、というのだ。
「教師相手じゃ面と向かって言えないし」
「下手に言ったら目をつけられかねないし」
「面倒臭い奴よ」
「さっさとクビになればいいのに」
「正直迷惑よ」
「セクハラ教師最低」
「何かね」
 当然優花も体育の授業に出ている、小柄な身体を体操服と半ズボンで覆っている。白く細い脚の形は実にいい。
「ああした先生って何処にもいるのね」
「まあね」
「何か公立の方が多いらしいわね」
「私立は多くないって聞いたわ」
「実際はどうか知らないけれど」
「確かに前の学校は私立だったけれど」
 八条学園はだ、経営陣は八条グループだ。
「おかしな先生はいても」
「あいつ程じゃないでしょ」
「暴力にセクハラにって」
「有り得ないわよ」
「人間失格もいいところよ」
「今も見てるし」
「舐め回すみたいにね」
 女子生徒達は衝夫を汚物を見る感じで見ながら言った、非常に嫌そうに。
 そして優花にだ、また言った。
「いい?優ちゃんもね」
「前も言ったけれど」
「あいつには注意してね」
「名前と顔を覚えられない様にね」
「そうしてね」
「うん、私もセクハラされたくないから」
 だからとだ、優花自身も頷いて答えた。
「気をつけるわ」
「そうしてね」
「あいつは目をつけると酷いから」
「何するかわからない奴だから」
「注意してね」
「何されるかわからないわよ」
 こう口々に話す、そして優花も頷いていた。だが。
 衝夫は女子生徒達を性欲を剥き出しにして見ていた、何を考えているのかは既に目に出ていた。まさに目は口程にである。
 そして優花を見てだ、気付いたのだった。
「ああ、あいつうちの生徒だったか」
 優花の人生に危機が訪れた瞬間だった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ