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第二章
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う。それだけね」
「そうしたらね」
「わかったよ。じゃあ生きるよ」
 仕方ないといった顔で、です。蛟は皆に言いました。
「頑張ってね」
「そうして龍になろう」
「五百年生きてね」
 こうしてです。蛟は仕方なくです。四百二十年待つことにしました。
 湖の中でも季節はわかります。夏になって秋になり冬になり春になり。その中を過ごしてです。
 蛟は水面を見上げながらです。こうぼやくのでした。
「まだまだだよね」
「五百年だからね」
「本当に気が長いよね」
「遠い話だよ」
「一年一年過ぎていくけれど」
 蛟は百歳になりました。けれどです。
 まだまだ時間はあります。そのことを思ってです。
 蛟は湖の底ではあ、と溜息をつきます。そしてまた言うのでした。
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