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世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜エース×翼人〜
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時間はさほど、かからなかった。


玄関を目指していたのか、蒔風はよろよろと中庭を歩いていた。


なのははその姿に安心したのか、寄って行こうと歩いていく。
その瞬間、蒔風が地面にガクリと倒れ伏して倒れてしまった。




「舜君!!」

なのはが驚いて蒔風に走り寄り、仰向けにして身体を起こす。
蒔風は苦しそうに呻き、顔は白い。
しかしそれでも、前に進もうとしているのか、右腕が虚空を掻いていく。




「なのは・・・・・ちょうどいい・・・・俺を・・・連れていけ・・・あの・・・・・う・・・」


呻き声の蒔風がそこまで言って、身体がさらに崩れる。
なのははその蒔風をなんとか支え、病室まで連れて帰っていった。



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「なんだよ・・・・病室じゃないか・・・・」

「当たり前だよ・・・なんで舜君・・・」


病室に戻り、なのはが蒔風に問う。
なんであんな無茶なことしたのかと。


「感覚がな・・・・・残ってんだ」

「え?」

「すまん。ヴィヴィオを・・・・・守れなかった」



蒔風が左腕を掴んで辛そうに言う。
彼の腕にはまだ残っているのだ。


あの時、自分を頼りにして、すがり、必死になって掴んでいた、幼い少女の手の力が
たとえ一度千切れたとしても、その感覚はこの腕に宿っている。



その蒔風に、なのはも心苦しそうな顔をしてそんなことないよ、と首を振る。
だが、蒔風はそれでは納得できなかった。



「俺は・・・・約束したんだよ・・・・助けを呼んだら、すぐに駆けつけてやるって・・・・」

「それは・・・」

「俺は!!・・・・もう負けるわけにはいかないんだよ・・・この世界にも、理不尽にも!!!守れたんだ、もう少しだったんだ!!!なのに・・・・クソ・・・・・クソ・・・・・!!!」



頭を叩きながら慟哭する蒔風。
涙などは流さなかったが、彼は大きく嘆き叫んでいた。



「舜君・・・・大丈夫、だよ」

「・・・なのは・・・・お前は・・・いいのか?俺は・・・・お前の大事なヴィヴィオを・・・・・」

「舜君は・・・・世界最強なんでしょう?だったら、また助ければいい。私も、フェイトちゃんも、はやてちゃんもみんないる!!だから・・・・だから!!」

「なのは・・・・・」



その言葉を聞いて、蒔風が目を閉じる。
そうして何を思ったのか、スゥっ、と目を開けて、にこりと笑った。


「そうだよな・・・・何を言ってんだかな、俺は・・・・・助けるぞ、なのは。なに
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