第十一幕その十一
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「安心してね」
「貴女の羽根はポケットなの」
「ええ、言うならばね」
「収めたら落ちないの」
「丁度そうした場所が幾つかあるのよ」
「便利なものね」
「実際に重宝してるわ」
その羽根のことはというのです。
「お陰で持ち運びも出来ているから」
「種も他のものも」
「そう出来ているからね」
「何なら種は私が持っていてもよかったけれど」
「それには及ばないわ」
持ち運びについてはというのです。
「もうね」
「じゃあね」
「そういうことでね」
「持ち運びが安全なら」
それならとです、また言ったトロットでした。
「後は安全に帰るだけね」
「そうよね」
「そう、だったらね」
それならというのでした。
「安全第一で行きましょう」
「皆揃ってね」
「そのことは当然よ」
言うまでもないと答えたビリーナでした。
「皆で笑って帰るわよ」
「迷子にもならずに」
「そうして」
ガラスの猫とエリカも言います。
「笑顔で帰って」
「後は種を撒くのね」
「そうするわよ」
「ただ、鶏の国まで帰るにしても」
ここで言ったのはナターシャでした。
「何日かかかるわね」
「そうね、けれどね」
「その数日の旅もなのね」
「楽しんでいくわよ」
「それじゃあね」
「そうしていくわよ」
ビリーナはここでもナターシャに自信に満ちた声で言いました、そしてでした。
皆で歩いて帰りはじめました、ですが。
帰り道は何もなく休んだりしながら進んでいきます、思った以上に平穏なのでトロットがこんなことを言いました。
「平和ね」
「ええ、何もないわね」
「これといって誰にも会わないし」
ビリーナにお話します。
「何か起こるって思って歩いてね」
「一日経ったけれどね」
「何もないわね」
「こんな旅も珍しいわね」
「普通帰り道も何か起こるから」
オズの国の冒険はです。
「ちょっと拍子抜けよ」
「まあそう言うとね」
「そしてこう言うとね」
「何かあるのよね」
「大抵ね」
こう笑って言うのでした。
「そうなるのよね」
「そうね、だからね」
「心構えはしておきましょう」
「そうね」
こんなお話をしているとです、いきなり。
皆の前にいきなりでした、ぼこんとした勢いで。
大きなモグラさんが出てきました、最初に出会ったモグラさんの何十倍もある熊みたいな大きさのモグラさんでした。
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