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冷えたワイン
第七章
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潮風を浴びながらグラスの中の透明のワインを飲みつつだ。麻里奈は言うのだった。
「ようやくね」
「じゃあこの店に来てよかったかな」
「ええ、よかったわ」
 満足している顔での言葉だった。
「ワインも美味しいし」
「ああ、本当に美味しいんだ」
「言うだけはあるわ。このワインは甲州ワインね」
 飲んでだ。何処のワインなのかも言う麻里奈だった。
「甘くて飲みやすいわ」
「いいなあ。飲めて」
「だからお店で飲むのは二十歳からよ」
「ちぇっ、姉ちゃんは厳しいな」
「さて。一本開けたけれど」
 もう開けた。あっという間にだ。 
 勿論それで満足する彼女ではなくだ。ここでだった。
「もう一本もらうわ」
「また飲むんだ」
「これまで飲めなかった分飲むわ。それでね」
「まだあるのかよ」
「バカンスはまだ二日あるけれど」
 この日を入れてまだ二泊分ある。つまり二人は四泊五日の国内としては中々長いバカンスを取っているのだ。全て麻里奈がニースに行く為に取った時だ。
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