第十一幕その九
[8]前話 [2]次話
「凄く奇麗ね」
「普通の菫よりもね」
「香りもよくて」
「華やかで」
「こうして見ているだけで幸せになれるわ」
五人で笑顔でお話します、そしてです。
五人にです、ビリーナは言うのでした。
「私が自分の国に飾りたいって言う理由もわかるでしょ」
「ええ、それじゃあよね」
「そう、これからね」
まさにというのです。
「種を手に入れるわ」
「それで種は何処にあるの?」
「種は下にあるわ」
「下に?」
「そう、お花が咲いてそこから種が落ちるの」
「そういえばここには」
キャプテンは広場全体を見ました、すると。
広場にはお花だけでなくです、蝶々達もいます。その彼等を見てわかったのでした。
「成程ね、花粉をつなげているんだね」
「そうよ、お花は蝶々や蜂がいてこそでしょ」
ビリーナもキャプテンに応えます。
「それで種も出来て」
「その種を撒けば」
「後は芽が出てお花が咲くのを待つだけよ」
「そうなのね」
「ちなみにお水も必要だけれど」
ビリーナは今度は上も見ます。
「上からお水も出るから」
「地下水ね」
今度はトロットが応えます。
「そうなのね」
「ええ、そうよ」
まさにというのです。
「だからここは快適なのよ」
「何か不思議な場所ね」
ナターシャがこう言いますが。
ですがそれでもです、ナターシャはすぐにこうも言いました。
「オズの国ってことね」
「ここもね」
「地下だけれどお花が咲いて蝶々がいてお水も降る」
「オズの国だからよ」
「こうしたこともあるのね」
「そう、じゃあ今からね」
「種を手に入れて帰るのね」
振り返りもした恵梨香でした、これまでの道を。
「そうするのね」
「そう、いいわね」
「ええ、種を手に入れてから」
「そうするわよ」
こうお話してでした、そのうえで。
ビリーナは種を二十粒位拾って言うのでした。
「これでいいわ」
「二十粒位拾ったわね」
「ええ、これだけあればね」
「いいのね」
「後はこの種からね」
「芽が出て」
「お花が咲くのよ、そしてね」
さらに言うビリーナでした。
「そのお花達からよ」
「また種が生まれて」
「芽が出てね」
「お花が咲いていくのね」
「増やしていくのよ」
そのお花達をというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ