第十一幕その七
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「そうなの」
「つまり君達全員のお友達だね」
「だから今回も一緒に冒険してるのよ」
「成程ね、ところで今冒険って言ったけれど」
「私達地下にある虹色の菫の種を手に入れに来たのよ」
ビリーナはドラゴンにこのこともお話しました。
「それでここまで来たのよ」
「ああ、この奥にある」
「そう、まさにね」
「じゃあもうすぐだからそこまで頑張ってね」
「そうするわ、ただね」
「ただ?」
「実はあんたに少しここをどいて欲しいの」
単刀直入にです、ビリーナはドラゴンに言うのでした。
「是非ね」
「ひょっとしてさっきのお肉は」
「そう、あんたに起きてお話をしてどいてもらう為によ」
「出したんだね」
「そうだったの」
「美味しいお肉だったよ」
お肉の味についてです、ドラゴンはその大きな舌を出してべろりとお口の周りを舐め回してから言いました。
「本当にね」
「それは何よりね」
「実はここに出たのはね」
「穴があるわね」
ビリーナはここでまたドラゴンの左手を見ました、ドラゴン一匹が普通に通られるとても大きな穴がそこにあります。
「あんたの巣ね」
「狭くなったんで拡げてたら」
「ここに出たのね」
「それでここが気持ちよくてね、出たら」
「だから寝床にしようと思って」
「ずっと寝ていたんだ」
そうだったというのです。
「今までね」
「そうなのね、それでね」
「うん、君達の邪魔になるならここをどくよ」
「そうしてくれると助かるわ」
「あとここは滅多に誰も通らないけれど」
それでもとです、ドラゴンは考えるお顔で言いました。
「また君達みたいに種を採りに来る人が来るだろうし」
「それなのね」
「別の寝床探すよ、地下はとても広いから幾らでもあるしね」
「そうしなくてもいいわよ」
「いやいや、また誰か来るから」
それでというのです。
「ここはどくよ、それにもう既に寝床もあるしね」
「最初からあるのね」
「新しい寝床を探してたんだ」
この辺りの事情もお話するドラゴンでした。
「実はね」
「じゃあ元の寝床でも寝たり」
「うん、そうしてもいいしね」
「新しい寝床も探して」
「そこは僕で考えるよ、それじゃあね」
「どいてくれて」
「誰の邪魔にならない様にするよ」
こうビリーナを通じて皆にお話するのでした。
「あと穴も埋めるし」
「それじゃあ」
「またね、けれどあの菫はね」
ビリーナが手に入れるという虹色の菫の種についてもお話したドラゴンでした。
「奇麗だよね」
「あんたも知ってるのね」
「実は僕お花が大好きでね」
「お家の中で飾ってるの」
「花壇を持ってるんだ」
お家の中にというのです。
「それでその中になんだ」
「虹色の菫もあるの」
「そう
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