掘り出し物
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後
地上へと繋がっている階段からは、光が差し込んでいる。覗いてみると、朝日が昇ったばかりの方だ
「なにその格好」
「お?アテナ。起きたのか」
「まあね…で、なにその仮面」
アテナが気になっているのは、俺が今被っている仮面だろう。白い狐をベースとした仮面は、目以外の顔全体を覆っている。
「あ、これは注目を浴びないために…な。周りに存在を公表するとしても、まだその時ではないと思うから、1日でランクアップした男がいる。っていう噂だけで充分だ」
「ふーん。…にしても、仮面なんかしたら勿体無いよ。折角美の女神を魅了する容姿を持ってるのに」
そうか?普通にそこらへんにいるやつと同じだと思うけどな
「あ、そろそろ人が多くなってきそうだから行ってくる」
「うん。…気をつけるんだよ」
はいはい、の代わりに右手を上げて、振りながら階段を登って行く。…そういやまだ武器持ってなかったな…昨日沢山稼いだし、武器でも買ってくか
********************
やってきたのはバベルの8階。ここでは、駆け出しの冒険者達の武器が売られている
「…どれも上層でしか通用しなそうな武器だな…」
自分はまだ冒険者となって2日目だが、中層でも普通に通用する。なので、それなりの強さの武器が欲しいのだが…そう都合よくないか
「…ん?」
その中で一つ、俺の目に留まる武器があった。形は丁度片手剣の大きさで、見た目は特に気にならない。しかし、纏っているオーラが力強く、まるで生きているかのように周りに威圧を与えていた
「この武器。なんでこんな値段なんだ?」
見るからに強い武器。それが、たったの10万ヴァリス。明らかにおかしい。本来なら100万単位にもなる、そんな武器が、だ。
店員を呼んで、この武器の詳細を聞いて見た
「この武器は、ダンジョンにポツンと落ちていたそうですよ。…しかし、この武器は呪いがかかっていました」
「呪い?」
「はい。…それも強力で、持っていた第一級の生命エネルギーが、一瞬で吸い取られてしまいました。なので、本来なら売り物として出すべきではないのですが…仕舞おうとすると武器が拒絶するのです」
「ほう…買わせてくれ」
「ッ!!本当ですか!」
これも運命だろう。それに、これは絶対俺が持つべき武器だ。何故なら鑑定して見ると
原始の剣
・進化する
・持ち主の気質に合わせ武器は強化される
・持ち主の要望に応え、武器の形は変化する
だってさ。つまり、第一級冒険者の生命エネルギーが枯渇したのは、この武器を強化するため…って事だ。しかも、変化するというのはつまり、片手剣とか両手剣とかを自在に操れるってことだよな。こんな万能なのに買わない
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ