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提督はBarにいる・外伝
提督はBarにいる×プレリュード編・その5
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やすい食材だと俺は思う。煮ても焼いてもそのままでも美味いし、擂り潰せば粘りが出るし、淡白な味だから以外とどんな食材にも合う。今回ははんぺんを使った挟み揚げと、はんぺんを擂り潰して具を混ぜ込んで、新しい練り物風に仕上げた練り揚げを一品ずつ。

 まずは挟み揚げ。明太子の先端を切って中の粒をしごき出す。そこにとろけるチーズ(ピザ用チーズの方が混ぜやすいぞ)を適量加えてよくまぜる。はんぺんを三角形になるようにカットし、一番長い辺に包丁を入れ、ポケット状にする。

 先程作った明太チーズをはんぺんのポケットに詰めてやり、後は衣を付けて揚げる。サクサクとフワフワ、異なる食感の中から、チーズがとろ〜り。そこに明太子の辛味と塩気がやって来る。あまり味を主張してこないはんぺんだからこそ出来る芸当だな。



 お次は練り揚げだ。まずははんぺんをペースト状に。手でやったりとか擂り鉢でやる方法もあるが、簡単なのはミキサーとかフードプロセッサー使うのが楽だろな。

 次に具材の準備。今回はベビーほたてとアスパラガスを使用。ベビーほたては4等分に切り、アスパラガスは小さく斜め切りに。後はペースト状にしたはんぺんと具材をよく練り合わせて、小さく小判型に成型。さつま揚げっぽくなるから、素揚げでもいいが今回は天ぷら衣を付けて揚げる。

 アスパラの火の通りが心配なら、予め下茹でしておいてもいいかもな。但し、しっかりと水気を切らないと、天ぷら自体が水っぽくなってしまうからな。

「ハイよ、『2種類のはんぺん天ぷら』だ。」

 さて、次は何を揚げたものか。思案に耽っていると、

「あの……すいません」

 おずおずと申し訳なさそうに、叢雲が口を開いた。

「ん?どうした、何か食いたい物でも?」

「あの……天ぷらでデザートって出来ないかしら?」

 天ぷらでデザートか。あまり結び付きの無さそうに思える両者だが、案外繋がったりするもんだ。

「あぁ、出来るよ。ちょっと待ってな」

天ぷらは和食のファンタジスタだ、と語る料理研究家がいる。柔軟な発想があれば、たとえ偶然でも美味い天ぷらは出来るのさ。
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