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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第四話 光と影…いやこの場合は闇か?
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で感じたラインハルトの重圧も程よいプレッシャーに変わっている。今を逃すわけには行かない!だから、お前は…

「邪魔するなぁー!!」

「ッ!!」

吹き飛ばす。所詮コイツは雑兵だ。俺はナウヨックスの拘束から抜け出し、全力でラインハルトに向かいギロチンをあいつの首を断ち切るために疾走する。

「ナウヨックス、拘束などする必要は無いよ。カールの事だ、こう考えているだろうよ…戯れろ、せいぜい可愛がれと」

「ッ!?」

皮一枚、髪の毛一本、断ち切ることも出来ずに俺の刃はラインハルトに何の痛痒も与えられない。力も覚悟も恐怖に対する克服もした。だけど、それを何一つ意味を成さないかの様に跳ね除ける。

「恐れでは私は斃せぬよ。カールよ、私なりの愛し方をこの女に教授するが、よかろうな」

「いいのでは、彼も貴方の愛は認めているのですから」

「では―――私は総てを愛している。それが何者であれ差別はなく平等に。私の(あい)とはすなわち破壊だ。総てを壊す。天国も地獄も神も悪魔も、森羅万象、三千大千世界の悉くを。
ああ、壊したことがないものを見つけるまでな。卿はどうだ、私に壊された(だかれた)ことがあったかね?知りたいな」

「ならば一度抱いてみれば良いよ。君に抱かれて喜ばない女性なんていないだろう?」

ビキリ、とギロチンに深い亀裂が走った。マリィが…壊される…

「やめろオオオオォォォッ――――――!!」

「卿も怒りの日の奏者なら、楽器のなかせ方は心得ることだ、ツァラトゥストラ。なに、すぐに返してやろう。もっとも、別の男に抱かれた女を、再度受け入れる度量があればの話だがな」

しかし、俺の絶叫は意味を成さずラインハルトはそう言って素手で、マリィを砕ききった。それと同時に俺の目に映ったのは、ラインハルトの腕に抱かれて呆然としているマリィだった。死ぬのか…こんな所で…俺は…

「安心しろ、人形。まだお前は死なない、死ねない。運命の束縛は今始まったんだから」

沈んでいく…俺の意識が沈んで、いく……


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