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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第四話 光と影…いやこの場合は闇か?
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期待してちょっとばっかし頑張ろうじゃねえか」

「おいおいそれじゃあまるで全然本気出してなかったみたいな言い草じゃねえかよ」

しかし、それは有り得ないことだ。司狼は常に本気だったし仮にそうじゃなかったとしてもヴィルヘルムに通用することは無い。だが司狼は特に意味の無いハッタリを続ける。

「案外そうかも知れねえぜ、実はオレには隠された力がある、って感じに」

「ハハ、そりゃおもしれえ。じゃあ、ぜひそうして貰おうじゃねえかよッ!」



******



―――諏訪原大橋付近―――

ヴィルヘルムから逃げてきた僕はまあ、獣の情報があるとはいえ人形の方も気になるので少しばかり寄ってみることにした。

「速い、いや逆か?僕らが遅いのか?遠くじゃ良くわからないね、やっぱり」

ともあれ覚醒は進んでるようだ。この調子なら黒円卓相手に勝ち進みスワスチカを開ききっとライニの満足する仕上がりとなってることだろう。もっともただ呆然と待ってあげるほど僕はお人好しじゃない。だからこそ『獣の数字(メム・ソフィート)666(サメフヴァヴ』を送り込んだんだけど。

「いや〜ものの見事に蹂躙されたね〜」

確かに全滅するだろうとは思っていたし、このくらいは倒して欲しいと思っていたが…まさか666を集結させてたNrw Ksrまでこうもあっさり倒されるとは思ってなかった。
自らの身を犠牲にしてまで向かったのに一太刀すら許されないとはね。僕が女だったら惚れてるだろう。いや、そしたらその前に水銀やライニに惚れてるかな?

「でも、やっぱりあの獣は失敗作だったな〜」

やはり魂が安定しない。人造だから仕方ないともいえるが魂が現実という違和感に押しつぶされてしまうから体という堅い殻が必要となる。だからこそ肉体が傷つけば魂が漏れ出し、次第に現実という外側に圧迫され潰されて崩壊する。誰が如何考えても失敗作だ。

「せめて魂が残れば僕という存在に魂を吸収させることも可能なんだけど」

そうすれば質が悪くてもスワスチカを人造の魂で開けただろうに。崩壊して魂そのものが消滅してるからそんなことも出来ない。まあ、出来ないことを嘆いても仕方が無い。

「さてと、次はヴァレリアとかな。まあ今の人形では勝てないだろうけど」

これは確定している事実だ。今の人形じゃ絶対にヴァレリアに勝てない。彼の鎧を貫けるならそれは創造位階のレベルだ。だけどまあ、暇だし遊んであげようかな。




******



―――諏訪原大橋―――

「あんた達を斃す」

俺はそうはっきりと呟く。殺しなんてやりたくは無い。だけどこいつらの暴挙を許せば世界が終わることになる。だから、俺はたとえこいつらを殺す事になっても、もう躊躇わない。


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