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提督はBarにいる・外伝
提督はBarにいる×プレリュード編・その1
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波大佐の目の奥に、何か光る物が見えたような気がした。……あの光はよく知っている。『好奇心』の焔だ。

「つまり、演習か……強えぇぞ?ウチの連中は」

「存じ上げてますよ、『第二世代型』の艦娘じゃあ、ここが最強だと言う人も居ますし」

「おいおい、そりゃ持ち上げ過ぎだ」

 同じ姿の艦娘だが、時代の変遷と共にその『中身』は大きく変わっている。特にも艤装の進化は著しい。その進化は大きく分けて3世代に分別されている。

第一世代型……艦娘が世に現れたばかりの最初期の艦娘及び艤装。人が艦娘に転位した者である為、ダメージによる修復が難しく、現存する個体はほぼ居ない。身近な所ではジジィの所の三笠教官は第一世代だったか。その分、リミッター等が付いていない艤装の出力は高い。

第二世代型……量産化が始まった頃の技術を使って建造された艦娘及び艤装。リミッターをかけられて出力は落ちた分、扱いやすくなった艤装を使用する。それでも艤装を思い通りに扱うには妖精さんとの連携が不可欠であり、空母の艦載機等のパイロットも妖精さん。扱いが艦娘頼りの部分が大きい為、艦娘自身の力量に性能が左右されやすい。

第三世代型……電子デバイス等が組み込めるようになり、かなりハイテク化が進んだ物。最近の鎮守府はこれが多いらしい。艦載機を艦娘自身にコントロールさせたり、武装の一部をリンクした提督が操作出来たりと、ちょっとメ〇タルモデルっぽい、と思ったのをよく覚えている。艦娘自身の力量に左右されにくく、安定した戦果を出しやすく生残性も高い。



 言ってみればウチの連中は電子機器無しの旧車、帆波大佐のトコの艦娘は電子機器搭載した最新型スポーツカーとでも言えばわかりやすいか。

「またまたご謙遜を。『名伯楽』の名が泣きますよ?」

「自分から名乗った事はねぇんだがな」

 これまた青葉から聞いた笑い話だ。俺の二つ名のような物が真しやかに語られているらしい。曰く、

『金城大将の艦娘は艦娘らしからぬ動きをする』

『あれだけ武術に精通した動きをする艦娘は見た事ない』

『っていうか砲撃戦ってなんだっけ?』

 なんて噂が聞こえてくるとか来ないとか。確かに、演習やら出撃の際の基本戦術は指示するが、その後は任せっきり。たまにほとんど弾薬を使わずに演習で勝ってくる事もあって首を捻っていたが、何の事はない。

 俺が仕込んだ近接格闘で戦ってた。

 砲撃やら雷撃もするし、空母も航空攻撃もするんだが、至近距離になると格闘戦に持ち込んで文字通り相手を『叩きのめして』いた。そんな奇想天外な戦い方で、しかも強いからと誰が呼んだか『名伯楽』の称号を頂いてしまっていた。

『俺は必要最低限、必ず生き残って来る技術を教え込んでるだけなんだがなぁ……』


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