通りすがり
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
て・・・」
「そんなこと・・・」
レオンに負けたくなくて、勝手に依頼を引き受けて、結局自分じゃ何もできなくて・・・
「ごめんね・・・」
目から涙が溢れてくる。助けてくれる人もいなければ、抵抗できる人もいない。もう・・・このまま・・・
ガシッ
諦めて目を閉じた時、不意に何かに手を掴まれる。その直後・・・
バキッ
何かが折れる音が周辺に響き渡り、持ち上げられていたはずのあたしは地面に落ちていた。
パシッ
そのまま地面に落ちるかと思っていたら、その衝撃が来ない。それでも怖くてしばらく目を閉じたままいると・・・
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ローレと言われていた人の断末魔が響き渡った。
「んん・・・」
何が起きたのか確認しようと少しずつ目を開いていく。すると最初に視線に飛び込んできたのは、この場にいるはずのない少年の姿だった。
「え・・・」
「なんで〜・・・」
「ここにいるの・・・?」
あたしを抱き抱えているその少年を見て全員が思考が追い付かずに固まっている。金色の髪をボサボサにして、全身に包帯をミイラのように巻いた、頭の上に目を回しているオレンジ色の猫を乗せた人物・・・彼はみんなの疑問に答えるように、ゆっくりと口を開く。
「別に。通り掛かっただけだけど」
100年クエストに向かったはずの氷の神、レオン・バスティア。消えかけた希望が、再び甦った瞬間だった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ