通りすがり
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、突然後ろから殺気を感じ慌てて振り返る。
「フンッ!!」
そこには俺目掛けて光っている剣を振り下ろそうとしているポニーテールの女性がいた。
「うわっ!!」
運良く奇襲に気付くことができたため受け身を取りながら転がるように回避する。おかげで捕らえかけたカラスとの距離が開いてしまい、彼の前に剣を振った女性がこちらを見据え立ちはだかった。
「大丈夫か?」
「うっせぇ!!」
助けられたことがよほど恥ずかしかったのか、助けてくれた人物にお礼も言わずに顔を背ける。彼女はそれを予想していたのか、小さくため息をついてからこちらへと視線を戻した。
「こいつは私が何とかする。お前はローレと戦え」
「なっ・・・」
それを聞いたカラスは相当にダメージを受けているはずなのに、その感覚すら吹っ飛んでしまったのか、顔色を一変させて立ち上がった。
「俺で敵わない相手にお前が勝てるわけねぇだろ!!」
「お前が私に勝ったのはもう何年も前だ」
反論する青年にそう告げた後、鋭く目をつり上がらせて彼女は顔をそちらへと向ける。
「今なら私の方が強いと思うが?」
「っ・・・」
正論を突かれ反撃することができず押し黙る。彼は悔しさと納得が行かない表情を見せながらも、渋々背を向け別の仲間の元へと向かおうとする。
「待て、これを飲んでおけ」
立ち去ろうとする青年を呼び止め何かを投げ渡す女性。彼はそれを見事にキャッチした後、一度視線を落とした後ゆっくりと口に運ぶ。
「ん?」
その直後、彼の体にある変化が起きた。それは、傷だらけだったはずの肉体が、まるで元通りになろうとするかのように、傷が消えていくのである。
「何?今の・・・」
服以外は戦う以前と同様な状態へと戻ったカラスは気を取り直してこの場から離れていく。治癒の魔法ってわけではなく、何やら薬のようなものを飲んだだけなのに、あり得ないような回復力を見せたことに俺は目を疑ってしまう。
「あれは不死の薬。如何なる傷も治せる、究極の薬だそうだ」
「へぇ・・・」
そんな薬があるとは知らなかった。ちなみにかなり数が少ないらしく、本当に必要となった時以外は絶対に使用しないらしい。
「さて、そこそこ実力はあるようだが、私にはどこまで通じるかな?」
明らかな上から目線にちょっとイラっと来る。さっきの会話を聞く限り、彼女の実力はカラスと同等程度・・・それなら俺の方が明らかに有利なはず!!
「その余裕が間違いだったと知らせてあげますよ!!」
両手に水と風を纏わせていく。相手の武器は剣。でも、それなら俺は強い人を知っている。
「竜魔の・・・翼撃!!」
以前戦ったその人物でさえも圧倒することができ
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