通りすがり
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「悪いけど、これで決めさせてもらうぜ」
全身から魔力が溢れ出してくる。前回は状況が状況だったからこれを使う勇気がなかったけど、今回は違う。敵の数は特定できており、それに対抗できる戦力が確定できている。多少魔力切れが起こったとしても、問題にはならないだろう。
「なんか悪魔みてぇだな、お前」
体に浮かび上がっている模様を見て余裕が見え隠れしていたカラスの顔が強張っている。
「その通り、これは悪魔を滅するための魔法だ!!」
水と風を合わせた渦を作り出し、敵の土手腹目掛けて解き放つ。
「くっ!!」
それを巨大ヌンチャクで防ごうとしたが、勢いに押され後方へと飛ばされていく。
「よし!!」
それを見てすぐさま彼を追い掛けていく。この二つの魔法の合わせ技はカグラさんすら圧倒することができた。この程度の敵なら物の数分で倒せるはずだ!!
「竜魔の・・・鉄拳!!」
飛んでいく青年に追い付き、その胸ぐらを掴んで進行方向を無理矢理こちら側に変える。それにより放たれた拳は、通常の場合よりも威力が増し、敵の顔面へとめり込む。
「っ!!クソッ!!」
武器の一部を杖のように使って踏ん張ると、切り返しつつ拳を繰り出してくる。しかし、その一撃は俺には届かない。
パンッ
「なっ・・・」
一直線に振り抜いてくる腕を払ってバランスを崩させる。俺は目を使えば相手の動きを予測することが確実にできる。だから如何なる攻撃も防ぐことができるんだ。
「竜魔の鉤爪!!」
「ガハッ!!」
バランスの崩れた男の脇腹に蹴りをねじ込む。その威力も絶大で、彼は武器から手を離し、そのまま地面を転がっていく。
「またまだ!!」
しかし、それで攻めを止めることはしない。地面を転がっていき、止まったところを狙って彼の上へと飛びかかる。
「オラァッ!!」
「グハッ!!」
空中で一回転しながら、踵落としを繰り出す。地面に伏せている彼には避ける暇も受け止める方法もなく、体が反るほどダメージを受けていた。
「どうだ?手も足も出ないだろ?」
「くっ・・・」
この魔法を扱えるようになってから、今まで一度も負けたことがない。それは今回も適応されるようで、勝利を確信した俺は余裕の笑みを浮かべていた。
ウェンディside
どうしよう・・・ここからどうやって彼女たちを倒せばいいのか、私には全然策が思い浮かびません。
「諦めちゃダメよ!!ウェンディ!!」
心が折れそうになっていると、後ろから頼りになる、安心できる声が聞こえてきます。そちらに目を向けると、そこには地面に転がっている男たちを縛り上げたシャルルたちが
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