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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第79話:お・も・て・な・し
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鹿!」
何なんだ一体? 何故、彼の買い物が終わるのを待ってるのだろう!?
「さ、32
G
(
ゴールド
)
40
S
(
シルバー
)
です」
「え……そんなに高いの!? 1個お幾ら?」
「は、はい……1個1
G
(
ゴールド
)
62
S
(
シルバー
)
です。それが20個ですので……」
「ありゃぁ……3
G
(
ゴールド
)
しか持ってこなかったよぉ」
「ぜ、全然足りてねーじゃねーか! お前3
G
(
ゴールド
)
じゃ1個しか買えないぞ……20個買おうとした意味が解らん!」
「だぁって僕、お小遣い少ないしぃ」
「あぁもう良いよ!」
イラつきが極限まで達したウルフ宰相が馬車から飛び降りると、ターバン男を押し退けて支払いを済ませしまう。
何故に彼はターバン男にそこまでするのだろう?
「すんません皆さん、お騒がせしまして……ほら、お目当ての物も買えたんだし、アンタも馬車に乗れ!」
シュークリームが20個入った紙袋をターバン男に持たせ、ウルフ宰相は彼も馬車に乗せ込んだ。
乗り込んだターバン男は「こんちわ」と爽やかに我等に挨拶して、当然の如く寛ぎ出す。
「リュ、リュリュ……この方は一体……?」
「何だ君? リュリュの事を呼び捨てにするほど親しいのかい? やっとリュリュも結婚相手が見つかったのかい!?」
ウルフ宰相に対してもだが、姫君のリュリュに対しても遠慮が無い男だな。
「違うわよぉ、もぅ」
「そうですよ。リュリュさんには相応しくないと私は思いますけどね!」
本当にムカつく男だなラングストンは!
コイツもリュリュの事を狙ってるようだが、身分が違うだろうに!
「ギルバート殿下、紹介させていただきます。こちらは私の父……グランバニア国王のリュケイロムであります」
「……は?」
な、なんだと……今ティミー殿下は何と仰ったのだ?
「あ、だからね……私とお兄ちゃんのお父さんなの、この人が」
「済みませんギルバート殿下……お見苦しい所を見せてしまって」
ええ!? ウ、ウルフ宰相も否定しないぞ!
「こ、これは大変失礼致しました!!」
「ん? 何か失礼な言動あった? 僕には見受けられなかったけど……」
た、確かに言動こそ無かったが、ずっと下々の者として見てたから……
「そ、その……ご挨拶もせずに……礼を欠いていたと……」
「いやいや……だって自己紹介もしてないのに、挨拶もないでしょ。全然失礼じゃなかったよ……それともぉ“アホな下郎が居る”とか思ってたのかなぁ?」
「そ、そ、そ、そんなことは決して……」
「大切なお客様なんだから虐めるなよ。まだ規格外の人種に慣れてないんだろうから」
き、規格外って……先程からウルフ宰相も国王陛下に対して失礼だな。
「ラングと一緒に居たのだろうから、多少の耐性は付いてるんじゃ
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