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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第79話:お・も・て・な・し
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補佐官のリュリュ……それと私を恋敵として敵視してくる護衛官のラングストン殿が乗り込み、我々を迎えに来たウルフ宰相が乗り込んでもまだまだ余裕のある広さになっている。

「レクルト……城へ寄り道せずに向かってくれ」
「はっ閣下!!」
馭者の男にウルフ宰相が指示を出すと、ゆっくりと馬車が動き出す。



(グランバニア城下町)

魔法の力で日が暮れると点灯する魔道灯や馬無しで走る馬車の魔道貨物車など、不思議で興味深い物をウルフ宰相やリュリュから教えられていると、グランバニア最大の建築物たるグランバニア城が間近に迫ってきた。

10キロ近く離れた港から見ても大きさに驚かされていたのに、近付けば尚のこと唖然とする立派な建物……それがグランバニア城だ。
出立前にグランバニアの歴史を分かる範囲で勉強したのだが、私が生まれる以前のモンスターが蔓延る時代に、民を守りやすくしようと時の王が城の1階と地下部分に城下町を作ったのが始まりだったらしい。

現在ではモンスターも昔の凶暴さを持って居らず、城の外に町並みを展開しても危険が皆無になった為、一気に城下整備を行い発展したと聞いているが、昔の名残がそのままグランバニア城の大きさに繋がっている。

「レ、レクルト……ちょっと止めろ!」
「え? あ……は、はい!!」
私がグランバニア城の大きさに圧倒されていると、突然ウルフ宰相が馭者に停止を申しつけ、我等皆が前のめりになりながら停止した。な、何事だ!?

「おい、こら、テメー何してやがる!?」
「あ、ウルフぅ〜。お帰りー☆」
「『お帰り』じゃねー! 何してんだよ、こんな所で!?」
「見ての通りお買い物だよ。大事なお客さんが来るから、美味しいシュークリームを買うんだ」

一軒のお菓子屋で買い物をする紫のターバンを巻いた男性に、ウルフ宰相は怒りをぶつけながら問いかけているが、その男性は気にする事無くお会計の列に並び続けている。
一体何者なんだろう?

「そんな事はメイドにでも任せればいいだろ!」
「ダメだよぉ……こう言う事は真心の問題なんだ。それが“おもてなし”の心だよ」
確かに素晴らしい考え方だが、宰相に対しての言葉遣いを気にした方が良いと思う。

「あ、あの……お先にどうぞ……」
「ええ!? 皆もずっと並んでたんだから、ダメだよぉ。順番は守らなきゃぁ」
「ほらぁ! 先に並んでた方々が順番を譲ってくれたんだから、素直に応じろよ! 何か皆さん、すいませんね」

ウルフ宰相の権幕を見た他の客達が、ターバン男に順番を譲る。
だがターバン男は遠慮してしまい、その事でウルフ宰相が更に怒り出す。
順番を譲ってくれてる方々への低姿勢とは真逆の態度だ。

「じゃぁお言葉に甘えちゃおっかな(ニッコリ)」
「さっさと買え、馬
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