第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
なのはStrikerS 〜何が為に戦うのか〜
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「本当にいいのかって?・・・・・・そんなん、もう俺に決めるだけの権利はないよ」
指令室の扉のすぐそこで、はやてのつぶやきを聞いて蒔風が部屋へと向かう。
その途中で何人もの六課スタッフが走りまわり、蒔風がそれを流し目で見、悔しそうにうつむく。
そう、彼だってあの場に行きたいのは当然だ。
あんな現場を放っておけるほど彼の感情は大人ではないし、押し込めるほどまだ「蓋」は安定してはない。
(まだ「蓋」の改良が必要だな)
だが彼は行くことなどできないのだ。
誰かの先を潰してしまう可能性がある以上、翼人として、そんなことは許されない。
そんなことを考え、感情を押し込めながら部屋に戻る。
一人で寂しく、「蓋」の練り上げに入る蒔風。
いまだに彼が安定してないというのは、まさに青龍の言ったとおりだった。
そうしている事、数十分。
蒔風がフゥ、と息を吐き出し、一休みに入ろうとする。
そして、ベッドに座り、自分に送られてきたメールボックスを確認する。
それらは今日の朝にはすでに溜まっており、未だ消化しきれてない。
空中に浮くモニターを叩いて、メールを確認しようとする蒔風。
だがその寸前で、その手が止まる。
そうだ、関わりを断たないなら意味がない。
こんなことしてどうする。
だからさっきも青龍に言われたのではないか。
その考えが、一瞬蒔風の脳裏に走る。
しかし、結果として彼はメールボックスを開いた。
結局のところ、彼は弱い人間だったのだ。
彼は誰かと関わらない、なんてことはしきれない人間だった。
繋がりを求め、寂しさに簡単に潰れるようなそんな弱い心の持ち主が、青龍の言う「断ち切り」なんて、完全に出来るはずもない。
そして、その「弱さ」が
蒔風の扉を開けることになった。
その内容はすべてビデオメールだった。
なのはやフェイト、スバルやキャロにティアナ、シャマルやシグナム、さらはあの無口なザフィーラまでもが、蒔風に言葉を伝えようと、一通ずつ送ってきていた。
だがそのどれもが蒔風に言わせれば、自分がいる事の意味にはならない。
そして、最後のメールを開いた。
『舜さん、おはようございます。エリオです』
最後のメールはエリオのものだった。
そしてそれは、いきなりの独白から始まった。
『舜さん、僕は・・・・プロジェクトFATEで生まれたクローンです』
いきなりの告
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