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Three Roses
第二十八話 再会した薔薇達その十一

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「準備を整える」
「学んでもらう」
「旧教だけでなく新教も」
「そしてそのうえで、ですね」
「論戦を挑みますか」
「論戦に勝ち、だ」
 太子はさらに言った。
「この国ひいては四国の信仰を確かにする」
「旧教の復権ですね」
「それを確立し」
「そして次に、ですね」
「お妃様ととの間に」
「お子を」
「共に行っている」
 そちらのこともというのだ。
「若し論戦で遅れを取ってもな」
「はい、お子がおられますと」
「それだけで違いますね」
「巻き返すことも出来ます」
「それも幾らでも」
「そうだ、子の存在は決定打になる」
 そう言っていいものだというのだ。
「むしろこちらの方がだ」
「手になりますね」
「この国をロートリンゲン家のものにする」
「その為の手としてですね」
「最も有効なものですね」
「ロートリンゲン家が今に至ったのは何故か、だ」
 このことの話にもなった。
「戦いよりも婚姻を選んだからだ」
「戦いは敗れることもある」
「時にですね」
「そうなることもありますね」
「絶対ではないですね」
「戦いはこちらが優勢でも敗れることもある」
 確実なものではないというのだ、ロートリンゲン家は数多くの戦いを見てきてこのことも学んでいるのだ。
「この国の歴史を見てもわかるな」
「優勢な王国軍に幾度も勝っています」
「海においても陸においても」
「騎士団に対して長弓隊を使うこともありました」
「戦争は絶対ではありませんね」
「常に敗北の危険があります」
「多くの金と人、馬に食料も使いだ」 
 太子は戦争についてさらに話していく。
「多くの国力を消耗してそれだ」
「敗北の危険が常にある」
「敗北すれば失うだけ」
「人も国土もですね」
「そうしたものだからこそ」
「ロートリンゲン家は戦争は避けているのだ」
 することはするがだ。
「我が家が武力に訴えるのは最後の最後だ」
「はい、まさに」
「それしか手がなくなった時か」
「若しくは儀礼的なもの」
「勝利のセレモニーの様な時のみですね」
「それよりも婚姻だ」
 ロートリンゲン家はこちらに活路を見出しそして成功してきているのだ、そうして今や文明圏で随一の権勢を誇るに至っているのだ。
「子をもうけることだ」
「そしてそれをですね」
「この国においてもですね」
「お妃様との間になし」
「この国もまた」
「王は決まった」
 北の王国から迎えた王子が王になった、同時に北の王国の王にもなっている。
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