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Three Roses
第二十八話 再会した薔薇達その十

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「黄色、即ち」
「セーラ様ですね」
「あの方の薔薇の色ですね」
「それ故に」
「はい、だから黄色にしました」
 ここでもだ、マリーは薔薇を意識していた。文についても。
「そしてそれはです」
「マリア様にはですね」
「左の白い紙ですね」
「そちらを送られますね」
「マリア様の色ですね」
「あの方の薔薇の色ですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「彼女は白薔薇なので」
「それでは」
「その色ですね」
「島国に送る」
「そうされますね」
「その様にお願いします」
 こう言ってだった、マリーは二人にそれぞれの色の手紙を送った。こうしたやり取りも頻繁に続けた。そしてだった。
 この話は太子にも届いていてだ、彼は側近達に話した。
「わかりやすいな」
「はい、お三方はですね」
「今もやり取りを続けらていますね」
「離れ離れになっていますが」
「それでも」
「そうだ、三人は今も一緒だ」
 幼い日の頃の様にというのだ。
「三色の薔薇は共に」
「文の色もそうらしいですね」
「それぞれの薔薇の色だとか」
「そのうえで手紙をやり取りされている」
「そうなのですね」
「その様だ、しかしだ」
 それでもというのだった。
「臆することはない」
「三人の姫君が協力し合っていても」
「それでもですね」
「臆することなく、ですね」
「この国の新教徒達に論戦を挑み」
「そのうえで勝つ」
「そうしますか」
「学者達の人選は済ませた」
 既にというのだ。
「そしてだ、彼等にも学ばせている」
「旧教のことだでなく新教のことも」
「その双方をですね」
「学んでもらっている」
「そうしていますね」
「そうだ、既にだ」
 まさにというのだ。
「後は彼等が学び終えた時にだ」
「こちらからですね」
「論戦を挑みますか」
「おそらく新教側も用意を整えていますが」
「そのうえで」
「相手が用意を整っていないうちに挑みたいが」
 勝つ為にはだ、論戦はこのことも大事である。だがそれでもこう言ったのだった。
「しかしだ」
「それでもですね」
「まずはこちらの用意を整えること」
「それが先決ですね」
「こちらを万全にしてこそだ」
 まさにとだ、太子も言った。
「何かが出来るからな」
「相手に対してもですね」
「それで、ですね」
「まずはこちらを万全にする」
「それから向かいますか」
「そうすることが大事だ、まさにボタンをかけるそれ一つさえだ」
 そのレベルでというのだ。
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