第九十八話 蛍光その十二
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たら蛍もね」
「見るどころないから」
「だからよ、雨だけでいいわ」
本当にという言葉だった。
「私はそう思うわ」
「じゃあ今みたいに」
「こうして蛍を見ていられれば」
それでというのだ。
「幸せだしね」
「そうなんだね」
「ええ、こうして」
微笑んでだ、モンセラさんは僕に言った。
「ずっと見ていたいわね」
「台風じゃなくて蛍だね」
「こちらがいいわ」
その微笑みのまま蛍達を見ている、蛍達は僕達の周りも温室の中のあらゆるところを飛び停まってもいた。数えきれないだけの淡い光で照らしてくれていた。
第九十八話 完
2916・7・1
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