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フリージングFINALアンリミテッド
UNLIMITED04――初戦――
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ムのバグか何かだと……」

キャシーは表情を強張らせて、ネナは動揺を隠さずに言い詰める。徐々に同様の声色は伝染し、やがて現実味を帯びた危機感となって全員を包み込む。もはや訓練とは言い難いものとなっていた。
徹底されたサポートプログラムでは決してあり得ないエラー。誰かが改ざんした可能性がある?
一応、戦闘教官から注意事項を受けていた。
本来はフリージングの性質を持つノヴァの性質に近づけるため、物理攻撃を受けた場合は『疑似損傷(クラッシュエミュレート)』が発生する。
それは骨折して腕の神経が麻痺したり――出血して混濁減少に見舞われたりしてしまうと。
何度も実技仮想訓練を受けているパンドラ及びリミッターの生徒には、熟知している内容だ。その為、誰もが当然そのように留意して今日の訓練に挑んでいたのだ。
戦闘は序盤、パンドラ達が優位に事を進めていた。リミッターがパンドラの進撃に華を添えるようなフリージングを展開。仮想ノヴァの予期せぬ行動に気を付ければ、あとはそのままストライクして終了だ。
ただ彼女たちとて、闇雲に突っ込んでコアを壊そうと思っていない。
それぞれのパンドラが受け持つ旋律、その働きも成績に十分関与する。

――パンドラの聖痕調律を指揮とるオールラウンダー――

――誘導、陽動、囮の調和を戦場に刻み込むデコイ――

――コアの外殻をこじ開ける原曲破壊のストライカー――

――文字通り、コアをぶち抜く強制終止符のフィニッシャー――

必勝法の確立されているプログラムだからこそ、今回も楽勝で終われると思った。そう思われていた。

――ところが、ノヴァの残HPが3割程度に落ち込んだ所で、事態は一変した。
突如、ノヴァの運動性が急激に上昇したというのだ。
単純な回避行動と命中精度なら、GGG機動部隊に匹敵する恐ろしいものだ。さらに加えれば、フリージングの出力も当然と言わんばかりに上昇している。リミッターも負けじとフリージングを展開し中和を図るが、徐々にノヴァのフリージングへ食われようとしている。このままノヴァの餌食になるのも時間の問題だ。
パンドラ達の動揺に波状攻撃をかけるような奇襲は、幾人かの戦闘不能(リタイア)を生み出した。

「くそ!全員訓練場から退避しろ!」

担当戦技教官の判断は的確で素早かった。本来セットしていないプログラムの動作だけで、最善の手を導き出したのだろう。
だが、戦技教官の判断は、仮想ノヴァに読まれていた。

「先回りされた!?」

「うそ!どうなってるの!?先生」

目の前の現実は確かな恐怖となり、皆は教官に振り向いた。しかし、帰ってきた返事は生徒と同じ困惑だ。
必死にエアパネルを展開してタッチするが、『強制停止』は働くことはない。

「わ、分からない!再強制停止(
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