UNLIMITED04――初戦――
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らは軽くいなされてしまった。他人から見ればどうだか知らないが、このやりとりが凱とパンドラ達の一種のコミュニケーションなのだろう。
「あーん!獅子王先生こわーい!」
「でもそんな獅子王先生もカッコイイ!」
「お前らなぁ!」「そろそろ始めるぞ!整列!」
突然、凱の忠告をかき消す号令の合図が聞こえてきた。パンドラ達は一斉に規律正しく整列した。
「私だって、獅子王先生に構ってもらいたいのに……」と思う教官だったが、決して表には出さない。もし、出してしまえば生徒達に示しがつかなくなる。
教師の仮面に切り替えて、訓練の内容を説明した。
「本日はリミッター不在を想定したノヴァとの模擬戦闘を行う。各パンドラはボルトウエポンを装着!」
「ボルトウエポン、展開!」
キャシー、ネナ、ジュンをはじめとするパンドラ達はそれぞれ得意の得物を装着する。
「ステージは都市の廃墟!タイプRが2体!各小隊のポジションを確認後、模擬戦闘を開始する!」
「了解!」
「大した相手ではないが、決して油断しない事だ!落ち着いて対処すれば無理して勝てない相手ではないはずだ!」
「早く始めましょうよ。教官」
「うむ、ではシミュレートプログラムを起動させるぞ」
ウィィィーン
パソコン特有の起動音を残しながら、設定プログラムを次々と読み込んでいく。
淡々と構成されていく光景を見た凱は目が釘付けになった。
(これが戦闘シミュレーター構成の瞬間なのか)
3Dアニメを制作するような、線と線が作り出す世界はまさにそれだった。
東京を思わせる大都市を構成。天候は快晴にして夜の戸張。それらは淡々と構成し、何も問題がないかのように進んでいた――かに思われた。
◇◇◇◇◇
普段の彼女たちなら問題ない相手と思われていた。その姿は何度も何度も繰り返し訓練の相手をしてもらった仮想上のノヴァ。
簡単に倒せる。もはや倒し飽きた相手だ。
かっこいいところを獅子王先生に見せられる。切望な展開を願っていたが、それらは最悪の形で裏切られることとなる。
その光景はまさに、阿鼻叫喚の地獄絵図のようであった。
パンドラ生徒達の目先にあるのは、20メートルを有する巨体。異教の神を思わせる架空建造物。タイプFと呼ばれる第8次ノヴァクラッシュに出現した異次元体を元にした訓練プログラムだ。
しかし、屈強なパンドラ達が上げた悲鳴は、戦闘訓練に対するものではない。通常、架空訓練用のノヴァは『初戦においてノヴァという高次元の存在に触れてほしい』という目的のもと、プログラミングされたものだからだ。
「……どうして!?どうしてダミーノヴァが!?」
「落ち着いて!ネナ!きっとプログラ
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