UNLIMITED04――初戦――
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懐かしいとびきり濃いコーヒーを堪能する凱は、GGG隊員に好評だった命の味を噛み締めていた。
特に、初代GGG(ガッツィ・ジオイド・ガード)長官である大河幸太郎は特にこのコーヒーが好きだった。
堪能時間を満喫した凱は、エリズを誘おうとしていた。
「エリズ先生、今から訓練棟でノヴァの模擬戦闘の見学に行きますけど、一緒にどうですか?」
するとエリズは両手を拝むような形を作り、申し訳なさそうなかわいい顔を出した。
「ごめん、凱。午後からは実地訓練のメディック(救急医療従事)をしなきゃいけないの。」
「そうですか、それは残念です。ではまた次の機会で」
そういって凱は、教務室とエリズに背を向けて訓練棟を目指していった。
しばらくの間、エリズは「あーん」と悔しそうな顔を露骨に表していた。
(せっかくの凱のお誘いだったのに〜悔しいぃ)
両脇で胸ををむぎゅっ、とするエリズ。
お誘い場所が訓練棟という殺風景な場所というのはいかがなものか、と普通思うがエリズにとっては、場所などどうでもいいらしい。凱の好意を受け取れなかった自分がとても腹立たしかった。
『イーストゼネティックス・シュミレ―ション訓練場』
イーストゼネティックス三学年Aクラスの生徒達は、大型シュミレートルームに集まっていた。
簡易ボルトテクスチャーの一つ、パンドラ達は体操服の姿でシステム起動の瞬間を待っていた。
現在はシステムをスタンバイ状態にしてある為、遮蔽物のようなオブジェは存在しない。
戦闘訓練の主役であるパンドラの少女達は、ひそひそ話をはじめていた。
「ねえねえ、キャシー。獅子王先生が来てるわよ」
「本当?どこにいるの?ネナ、ジュン」
「あそこよ。入口の片隅にいるじゃない」
そんな中、フィールドの片隅でたたずむ凱の姿も見えていた。
凱に気づいたのはキャシー、ネナ、ジュンの三人のみであり、彼女達と目線があった凱は、軽く「オッス」と片手を挙げて挨拶した。
「やっぱ遠くから見てもカッコイイよね、キャシーもそう思うでしょ?」
「え、ええ、そうね。ジュン」
憧れなのか、それとも別の感情なのかがキャシーを動揺させた。ジュンの返事にもまともに返せなかった自分がそこにいた。
やがて凱に気づくパンドラが増えてきた。いつしか、フィールド一体は黄色い声で埋め尽くされていた。キャシーはそんなキャアキャアと騒ぐ声に押し倒されそうになった。
「獅子王先生!見に来てくれたの!?」
「やっほー!獅子王先生!」
「こら!お前達、真面目に取り組めよ!」
凱はパンドラ達に注意を促すが、返って逆効果だった。
もともと凱は叱れる人間性ではない故に、パンドラ達か
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