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フリージングFINALアンリミテッド
UNLIMITED04――初戦――
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叩く音のみが部屋一体に響く。
現在、一人の女性訓練教官が明日の訓練に使用するノヴァの戦闘パターンの設定作業を行っていた。

「戦闘レベルは……これ位にして、武装と攻撃力とクリティカル補正に、そして射程と命中率は……」

それから、各種設定データを書き換えていく。
運動性、装甲値、移動力、HP(耐久値)にEN(エネルギー値)、編成コストときめ細かく設定していく。
それから一番重要である地形適応、特殊能力の限定設定を加えていく。

「リミッターのいない場合を想定して、フリージングは……これでヨシ!と」

フリージング領域を肌で体感させる為に、最低レベルで決定を行った。
ちなみに、このシミュレート設備は近日更新されたばかりである。ゆえに、どのGGG設備よりも操作性や反応速度、あらゆる面で性能を凌駕している。
制御室を後にしようとした教官は、偶然自動ドア越しで見かけた凱に声をかけた。

「あっ、獅子王先生」

「夜遅くまでお疲れ様です、もしかして残業ですか?」

軽く微笑み、何気ない言葉を返す凱。

「ええ、明日の訓練にここを使わせてもらおうと思って」

へえぇ、と言葉を漏らしながら訓練ルーム全体を見渡していた。
凱は、先ほど女性教官が設定したノヴァの戦闘データが表示されているモニターに視線を移した。

「難易度の詳細設定も可能なんですね、すごいな」

凱のいた時代では、プログラムによる戦闘訓練は実現不可能であった。
選択式で表示されている四つの項目。

「これはですね、獅子王先生……」

凱の素朴な質問に、具体的な説明をしてくれた教官。
一つ目は、EASY MODE(簡易モード)
お試し版ともいうべき、別名体験版モード。
このシミュレートシステムがどのようなモノなのか理解してもらう為、各種設定は最低限のレベルで固定されている。
一学年は絶対に受ける義務がある必須モードである。

二つ目は、NORMAL MODE(標準仕様モード)
一連の訓練フローチャートをこなす為、攻撃パターンや各種行動といった機能が追加される。
このモードから、あらゆる環境を考慮した戦闘フィールド、市街都市やジャングルといった極端な地形も選択可能となる。
ハイエンドスキルの習得具合を採点するにも必要なモードである。
三学年からこのモードを受ける資格がある。

三つ目は、HERD MOHD (特別設定モード)
ノヴァにほぼ近い性能を再現する実戦訓練モード。
このモードからノヴァの特徴であるフリージングが設定可能となる。
それだけでなく、戦闘開始場所がランダムで設定され、ノヴァを探索する所から始まるのか、突然ノヴァに遭遇するのかで大きく勝敗に左右される。これによって、熟練したパンドラでも場合によっては一
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