第一章
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ってだ。タナトスを嫌っていた。しかしだ。
彼は人々に死をもたらし続けていた。次から次にだ。死すべき者達の最後にそれをもたらしていた。そうしたことを続けていっていた。
その彼に対してだ。ある日だ。
ハーデスは己の玉座からだ。こう問うたのだった。
「苦しくはないか」
「何がでしょうか」
「そなたの司るもののことだ」
死、それについて問うたのである。ハーデスは地下深くにある己の宮殿、アポロンの太陽ではなく地下の様々な宝玉により多彩に照らされているその宮殿の中で問うたのである。
「死は誰もが嫌う」
「確かにそうですね」
「眠りとは違うのだ」
ハーデスは彼の隣にいるヒュプノスも見た。ここでも二人は共にいる。
「眠りは安らぎをもたらすがだ」
「死は、だというのですね」
「終わりをもたらす。そしてその終わりはだ」
「荒々しい」
「そうだ。死は荒々しいものだ」
そういうものだとだ。ハーデスは黄金と宝玉の玉座から述べた。
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