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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三話 殺す覚悟は必要。あ、シュピーネは無視の方向で
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命じた者を怨まないのかと。
「理解できないか。だとしても、我らは主に忠を尽くすだけのこと。我らは主によって造られたのだから」
男は懐からダガーを取り出す。勝てないことは理解しているが、別に彼は勝ちにこだわらない。彼らに求められたのは藤井蓮という存在に対する物差しの役割。故に彼は自ら死に向かう。
「行くぞ、ツァラトゥストラ。我が主の為に糧となれ!」
死を覚悟しての一閃。自らの命ごときで物差しが出来るのと言うなら命など安いと言わんばかりに。
「ッ…はあぁぁ!」
その鬼気迫る迫力に一瞬詰まるが襲い掛かってくる以上は反撃する。そう思いギロチンで首を狙う。しかし、確実に落とせるだろうと思った首は外れる。首ではなく男は体を左側にずらしわざとその身を中てる。左肩から腕を断たれるが右手に握ったダガーを蓮に向かって刺そうとする。
「…ガッ……ツアァ……」
だが、向かっていったダガーが蓮に刺さることはなかった。
蓮のギロチンは狙いを外したがそのまま軌道を横に変え体を胴体から断ち切った。
「ハ、ハハハ、やはり…私、ごと、きでは…一太刀、すら届かぬ、か…」
男は不安定となった肉体のせいか魂が消滅した。それでも蓮は警戒を解かない。何故なら、
「なるほど、これほどまでとは…やはり恐ろしい成長速度ですね、藤井さん」
「だからこそ、ここで討ち果たすべきでは、聖餐杯猊下」
ここには敵である螢とクリストフがまだ待ち受けているのだから。
「お前らは何も思わないのかよ」
蓮は敵であり本物では無いとはいえ二度目の人を切り殺した。その感触は先ほどの獣や前に殺したシュピーネとは全く感覚が違っていた。獣には意思が無かったから、シュピーネには香純を救うと言う目的があったから。
(だけど、今回は違う。自分の意思で、誰かを救うと言う目的が在った訳でもなく殺した。あの男には明確な意思が在った。自分を犠牲にしてでも俺を殺すと。それをただ向かって来たから(・・・・・・・・)殺した。)
その感触は重たく意思を感じる。達成感や爽快感よりも重圧を感じる。嫌悪感のようにも感じる。だがそのどれもが当て嵌まってるようにも当て嵌まってない様にも思える。
蓮は思う。こいつらは何も感じないのかと。
「藤井さん、嫌悪感や不快感でも感じましたか?それは乗り越えるべきことです。少なくとも我々に挑むのであれば」
「ええ、そうよ。私もとっくにそんな感覚通り越したわ。私達に勝ちたいと思ってるなら乗り越えることね」
「黙れよ。人を殺したことがそんなにも自慢できることか?あんた等は…あんた達はそんなことで自慢でもしたいのかよ!!」
蓮は怒りを感じる。殺したことに対する何かを乗り越える。そんな事するのがそんなにも偉い事なのか
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