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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三話 殺す覚悟は必要。あ、シュピーネは無視の方向で
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貴方達だけで私や彼らを殺せるとでも?たかが千にも満たない獣の分際で、ですか?」

「そこまで自惚れてはおらぬよ。主の命は実力を測ることだ。基より我らは造られた魂でしかないのだ。聖遺物を持つ者に敵う道理は無かろう」

そう言って数百も居る獣たちは蓮を殺そうと動き出す。クリストフや螢は狙われないが実際にすぐ傍を通り抜けたりしているので気分の良いものではないだろう。

「クソッ!」

右手のギロチンを振るい襲い掛かる獣を薙ぎ払う。一番近くに居た数匹の獣の首を断ち切る。だが他の獣はそんな事気にせずにそのまま突撃する。咄嗟に振り切った直後な為もう一度ギロチンを振るうことも出来ず止むを得ず左脚で蹴り飛ばす。
すると上から何十羽もの鳥が一斉に襲い掛かる。

「邪魔だぁー!」

蓮はむしろ襲い掛かる鳥に向かって跳び上がり斬戟を浴びせる。空中に跳んだ事でまともに身動きなど取れない。そこを狙って多くの獣が待ち構え、飛べる鳥類は攻撃を浴びせようとするが蓮はそのまま勢いをつけて落下し、それを利用してギロチンを放つ。

「うおぉぉぉー!」

ズドン!まさに音に表現するならばこの音が適切だ。一見すると鈍い音だがその音が攻撃の重さを物語っている。その一撃により百以上の獣が斬られ、あるいは吹き飛ばされる。
螢はその一撃の威力に驚き、クリストフは笑みを深め、遠くで見物していたアルフレートは喜んだ。全員が思った事は予想以上の成長だということ。この早さで成長するなら或いはラインハルトに届き得るのではないかと誰もがそう思い、螢は警戒を一層高め、クリストフは己の策が成功出来るかもしれないと考え、アルフレートは人形の出来に感嘆していた。

「これ程とは、我らでは物差しには釣り合わなかったと言う事か?」

「舐めてんじゃねえ。お前らみたいな唯の獣で相手になるか」

男が呟きそれに答える蓮。ギロチンによって屠られた数はおよそ百五十。中には未だ生きているものもあるが、それとて直に消滅(・・)することだろう。

「なッ…!?」

屍骸の消滅に驚く蓮。しかし、その魂は別に蓮に飲み込まれた訳でも男やアルフレートの元に集まったわけではなかった。ただ消滅しただけ。異形の魂は現界に耐え切れずに崩壊したのだ。

「我々の魂は不完全か。フム、魂の定着が出来ないのであれば我々はやはり失敗作の烙印を押されたということか。では、せめて潔い死に様を見せるとしよう」

「何なんだ…お前らは?」

「我々は所謂、人造の生命体であり聖遺物に似た加護を受ける物とよ。もっとも不完全な代物だが」

「そうじゃない…そんなことを聞きたいんじゃない!何であんた等はそんなに平然としてられるんだ!!」

蓮には分からなかった。何故そんなにも平然と命を投げ出すのかも、何故それを
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