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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三話 殺す覚悟は必要。あ、シュピーネは無視の方向で
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「まあ何にせよ、クリストフとやり合って命拾ったのは伊達じゃねえって言うわけか」
なかなかに楽しめそうだ。唯の雑魚だと決め付けてたのは早計だった。だが、
「それだけだ。随分と懐かしいじゃねえかよ、おい」
これは所謂、不感の兵士だ。壊れることを前提に性能限界を振り絞り、脳内はアドレナリンをだだ漏れにしてリミッターを無視した人間。今も昔も常に試みられてきた理想の一つだ。故に、
「お前、もう長くねえよ。死相が見えるぜ、ガキ。そうなって生き残った奴はいねえ」
「ああ、だから?そんなのは関係ねえさ。分かってるのは、オレはお前ら変態相手にある程度遊べるってこと」
そうして一呼吸置き宣言するように俺に向かって吠える。
「いや、もしかしたら
殺
(
や
)
れるかもしれねえぞ」
面白い。法螺でも何でもそれを口に出せるだけたいしたもんだ。悪くない。
「いいねえ、その自信はどっから来てんのかは知らねえが、そう言ったんだ。
殺
(
や
)
り合おうじゃねえか」
「さっき蓮は強いほうから潰そうと考えてたみたいだが、そりゃ違うよな。こういうときは、まず弱い奴からつぶすんだよ。つまり……」
「つまり?」
言うまでもない。そのためにこの組み合わせが生まれたのだ。コイツじゃ誰も殺せない。が、さっきの身体能力は異常だ。時間を稼ぐくらいなら幾らかは出来るだろう。そうすると、
「あのガキがレオンを殺すまでの間、お前は俺の足止めか?ははは、なるほど。意外に目端が利くじゃねえかよ。だが、幾つかミスってるな。あの坊ちゃんに女殺せるか疑問だし、元よりその前提は俺がお前を殺せなかった場合にしか通用しねえぜ、おい」
「どうかな、あいつは意外と容赦ない性格してるし。場合によっちゃあ、ガキでも遠慮しねえよ。んでもってオレは一言も…お前が強い方だとは言ってないぜ」
そう言った直後、目の前のコイツはデザート・イーグルを構え、乱射する。曲芸じみた射撃。横一直線にばら撒くように放たれる弾丸。そして賞賛すべきはそれが全て俺に命中する射線であること。だが、
「そんなチャチなもんで俺を殺せるって言いたいのかぁ!!」
馬鹿が、楽しむのは止めだ。コイツは徹底的に潰す。
「さあ、おっ始めようぜ!!」
******
―――ビルの屋上―――
「あれは確か…ヴァレリアが戦ったと言ってた人か。あんな動きが出来るとは意外だな」
アルフレートは一人独白しながらヴィルヘルムと司狼の戦いを見物している。其処は橋とタワーの中間地点ともいえる遊園地の近くにあったビルの屋上であった。どちらの戦いにも遠すぎず近すぎずの位置、状況次第でどちらにも介入出来る位置だった。
「まあ、こうなったならとりあえずは見物するだけだけど」
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